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- ID:
- 49314
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1227
- 見出し:
- そこが聞きたい・コクヨファニチャー社長 黒田英邦氏
- 新聞・サイト名:
- 日刊建設通信新聞
- 元URL:
- http://www.kensetsunews.com/article.php?article_id=A10z2004009&date=2010-12-27&class=pickups
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
-
【コンバージョン事業の意義は?/空間の価値づくり追求】
同社はこれまで、倉庫やスポーツクラブをオフィスにコンバージョンするプロジェクトなどに携わってきた。「基本は空間づくり。家具からインテリア、内装へと広がり、コンバージョンまでつながると、よりさまざまな価値を生み出すことができる」とコンバージョン事業の意義を強調する。
教育施設からホテルへの本格的なコンバージョン事例となったホテルカンラ京都(京都市下京区)には企画段階から参加した。環境、地域貢献、教育をテーマにハードだけでなくソフトまで提案、子会社の都市デザインシステムとともに運営までを手掛ける。
「オフィスにおいては、単にきれいで使いやすいだけではなく、お客さまの企業にふさわしい新しい働き方、空間全体まで提案している。ホテルも同様に、お客さまが客室やレストランでどのような価値を求めているのか、踏み込んでチャレンジする」。その場の一瞬の感覚ではなく、滞在して初めて得られる“その
先の価値”を大事にする。
「コンバージョンは、新築と同じくらい労力が必要だ。つくりながら挑戦することの連続だった」と振り返る。
床、壁、天井など、残せる部分はすべて残しながら、照明、素材により伝統的な京町家を感じられる雰囲気を演出した。ハードだけにとどまらず、教育と娯楽を併せ持つ「エデュテインメントホテル」をコンセプトに、修学旅行生に対するプログラムを充実させている。
「間伐材から自分たちで箸(はし)をつくって、おみやげとして持って帰る。手紙の書き方を教わって感謝の気持ちを育む。地産地消の地元食材を使った料理からは、食材の輸送に伴うCO2の削減と素材そのもののおいしさを学ぶ。子どもたちが実体験を通じて、心の豊かさや自然の大切さを感じることができ
る」
空間の価値は、できあがった後の使われ方でも変わってくる。「エデュテインメントが一番のポイント。ソフトの部分は入れ替えながら運営していきたい」と先を見据える。
同ホテルでの実績を踏まえ、問い合わせは増えているという。「興味を持たれていることは間違いない。コンバージョン以外でも、使っていない不動産の活用や集客スペースの改装など、新たなビジネスモデルとなる部分にニーズはある。空間価値の向上や企業の課題解決策を提案していきたい」と意欲をみ
せる。
「インテリアや家具を手掛けてきたことで、より使い手に近い場所からニーズを読み取ることができる」。身のまわりのものからアプローチし、空間、建築に広げられることが同社の強みだ。
コンバージョン案件の受注は、3年後に年間10件を目標にしている。「資源を生かしながら、新しい価値に生まれ変わらせるコンバージョンは、まさしく地球環境にもやさしい。また、お客さまも画一化、均一化したものに満足せず、独自の空間価値を求められている。お客さま、地域とともに新しい建物のあり方を
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