v10.0
- ID:
- 48962
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1203
- 見出し:
- 学び舎の桜 いつも傍らに
- 新聞・サイト名:
- タウンニュース
- 元URL:
- http://www.townnews.co.jp/0205/2010/12/03/82122.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 先月20日に2年の工事期間を経て落成した柿生中学校新校舎。盛大に行われた落成式の舞台裏で、7本の桜の木を巡るあるプロジェクトが進行していた。
柿生中学校の正門付近には昭和40年頃から校舎を見守るように7本の桜の木があった。春が来るたびに幾度となく満開の花を咲かせ、生徒たちを出迎えては、送り出してきた。いつしか桜は学校のシンボル的存在になっていったが、今回の校舎建て替えの際、建築資材の搬入に支障をきたすことなどから
やむなく伐採されることが決まった。
この知らせに多くの卒業生が反応した。「何か違う形でも、我らの桜を自分たちの身近に置いておく方法はないか」−。地元の「柿中おやじの会」を中心に、大切な桜をストラップと看板に加工する取り組みが始動した。
桜の幹からチェーンソーで木材を切り出す作業は自分たちで手がけた。一枚板で仕上げられた看板は、新校舎の中でも多くの人の目につく「柿生郷土史料館」のルームプレートに。1500個のストラップは全校生徒と落成式の参加者らに配られた。
「この桜の前で卒業写真をとったのを昨日のことのように覚えている。これからは携帯に付けていつも一緒にいられるのが嬉しい」。卒業生のひとりは愛おしそうにストラップを握り締める。“学び舎の桜”は姿を変えてもなお、柿生中に関わる全ての人にとっての心の拠り所となっている。
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