v10.0
- ID:
- 48899
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1201
- 見出し:
- 水・林産物283億円減 宮城県TPP試算
- 新聞・サイト名:
- 河北新聞
- 元URL:
- http://www.kahoku.co.jp/news/2010/11/20101130t12021.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
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宮城県は29日、環太平洋連携協定(TPP)に日本が参加した場合の水産物と林産物の減少額を計283億円とする試算結果を公表した。農産物の減少額は1086億円と試算しており、県内の農林水産業全体の産出額は、計1369億円減少する可能性がある。
農水省の試算方法を用いた。水産物はサバ、ホタテ、イカ、タラ、ワカメなど13品目を対象にした。各品目の県内水揚げ額に農水省が示したそれぞれの減少率を掛けた。
減少額はサケ・マス類75億円、カツオ・マグロ類57億円、干しのり37億円など。合計は250億円で、水揚げ総額763億円(2009年)の33%に当たる。
農水省の試算では、多くの品目の減少率を50~70%と設定した。県水産業振興課は「平均関税率は現在、4%前後。県内の養殖物に一定の影響はあるだろうが、関税撤廃で国産品のほとんどが輸入物に置き換わるとは考えにくい」と指摘する。
林産物では、合板1品目の出荷額(08年)290億円に、農水省の減少率11%を掛けた。国産から輸入品に置き換わり、出荷額は33億円減少するとみられる。
県は「合板原料となる間伐材の行き場がなくなる。県内林業への影響は少なからずある」(林業振興課)とみている。
◎TPP影響額、知事「対策が必要」
村井嘉浩知事は29日の定例記者会見で、環太平洋連携協定(TPP)に参加した場合、県内産業へ及ぼす影響の試算額について、「にわかには信じられない数字だ。参加する場合、農業などに悪影響が出ないようしっかりとした対策が必要だ」と述べた。
県試算は国と同様、TPP参加後に対策を講じず、国産品が輸入産品に置き換わると仮定した。村井知事は「食の安全・安心の視点で考えると、一気にすべてが海外の農産物に置き換わることはないと思う」との認識を示した。
北海道東北地方知事会議で設置を決めた「広域行政に関する検討会議」に新潟を含む8道県が参加表明したことに関しては「一丸となって地方分権に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
緊迫する朝鮮半島情勢の県内への影響には「仙台―ソウル線への影響が心配だ。現時点で、修学旅行の取りやめなどの報告はない」と話した。
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