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- ID:
- 48898
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1201
- 見出し:
- わな猟・囲い網… シカやイノシシ防御策あの手この手
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/areanews/mie/NGY201011300024.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 県内でも、シカやイノシシから田畑や森林を守る取り組みが進む。松阪市飯高町では住民自らわな猟免許を取得して駆除数を増やした。大台町の宮川森林組合ではパッチディフェンス(PD)と呼ばれる四角の囲いを設置し、広葉樹やスギ、ヒノキなどの苗木の食害はゼロになった。
松阪市飯高町では、わなの捕獲免許を昨年は7人、今年は6人が取得し、2年間で飯高町内の免許所持者は2倍の28人に増えた。わなでの駆除は数えるほどだったが、1年間で130頭以上を捕獲した。
「シカはネットを跳び越え、イノシシはもぐり込んでくるんや」
松阪市飯高町乙栗子地区の獣害対策協議会長、松田進一さん(68)は顔をしかめる。
66戸の集落で、40人ほどが10ヘクタールの田畑を耕作するが、猟をする人が減り、防護さくやネットも効果なし。昨年は、田植え後1カ月で国道沿いの田まで苗が食べられ、全滅状態の田もあった。
「手をこまぬいてはおれない」と、松田さんは昨年、わな免許を取得。約7万円で買った「くくりわな」1丁と箱わな(オリ)1基、知人から借りた箱わな1基を昨年11月から仕掛け、今年4月までにシカ18頭がかかった。
宮川森林組合は2007年11月、PDを導入。苗木をシカに食べられないようにするため、高さ1.8メートルの網を約10メートル四方に張り巡らせて、一定の範囲を囲う。
大台町薗の「水土里の森」は、宮川用水土地改良区が育てる森だ。1年前、60センチの苗木を植えた周辺にPDを設置したところ、被害はなく、1.5メートルに成長した。
3年前に最初にPDを導入した同町唐櫃(からと)の「富士通中部システムズの森」では、ウリハダカエデやカツラ、ウワミズザクラなどが3~5メートルほどに成長している。
これまでのシカ対策は、広大な外周を金網などで囲う方法と、苗木1本ごとに筒状のフェンスで覆う方法しかなかった。だが、いずれも失敗が多く、5ヘクタールに植えたスギ、ヒノキ2万5千本が全滅したこともある。
頭を悩ませていた宮川森林組合主任の岡本宏之さん(39)は、NPO法人森林再生支援センター(京都市)がPDの有効性を訴えているのを知り、指導を受けた。森としては、宮川森林組合が初めて本格的に導入した。
シカの跳躍力は2.5メートルで、PDは越えそうだが、侵入しない。岡本さんは「130~140度しかないシカの視野からは『囲われている』と思わせる大きさ。助走距離もない」と話す。
森林組合のPDの森は、現在10ヘクタール。シカの個体数を管理しながら、成長した木から種がこぼれ、PD内外で若い木が育つ「異齢林」をめざす。
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