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- ID:
- 48795
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1122
- 見出し:
- 取扱貨物量が激減した日高港
- 新聞・サイト名:
- 紀州新聞
- 元URL:
- http://www1.ocn.ne.jp/~ks-press/101121.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
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国、県、御坊市、御坊商工会議所ら関係者でつくる日高港振興研究会は19日、御坊商工会館で開き、港の利用状況や今後の振興対策などで協議した。平成21年速報値の取扱貨物量(公共、専用)は対前年比7割の大幅減少となった。貨物量の大半を関電御坊発電所が占めている現状では安定・
継続的な貨物量は見込めず、利用促進が最重点課題だが、有効な決め手はなく関税法上の「本格開港」は遠のくばかりだ。
21年取扱貨物量は65万3000トンで20年の196万トンから3分の1に激減。内訳は関電御坊発電所の専用が40万5000トンで対前年比7割減。ふ頭用地の公共は24万8000トンで前年比4割減。15年は最低の23万トンまで減ったが、16年と17年は60万トン台に回復し、18年と19年は140万
トンを超え20年は過去最高を記録。ただ、貨物量全体の約8割は御坊発電所の重油、原油が占め、18年から20年まで貨物量が増えたのは運転停止していた原子力発電の代替えとしてフル稼働していたためで、21年の貨物量激減は通常の運転態勢に戻ったことが大きな要因といえる。
一方、公共の貨物量は経済の急激な悪化、コンクリートを使う大型工事の減少などで前年度を37%下回った。砂・砂利で34%、原木で47%減った。14年は16万4000トンまで激減したが、16年の暫定供用開始後は企業用地に砂・砂利の取扱業者が進出したことから砂・砂利の取扱量が大幅に増え
、20年は39万3000トンで、ピークだった平成8年の39万9000トン近くまで回復していた。前年を下回ったのは14年以来7年ぶり、16年の暫定供用開始後初めて。
関税法上の「開港」には具体的な数値条件はないが、目安として年間数100万トン~1000万トン以上の取り扱い貨物量を持続させることや、外国との輸出入を一定規模、継続させることが必要とされ、定期的な輸出入が皆無の日高港にとってハードルはかなり高い。県下で「開港」している和歌山下津港
は年間4500万トンの貨物量があり、この半分以上は輸出入が占めており、日高港は遠く及ばないのが実情だ。
御坊発電所は電力需要や関電の経営方針等で貨物量は変動するため、不確定要素が強く、利用促進の上から考えれば貨物量の多くを発電所が占めている現状では見通しは暗い。公共の貨物量にしても砂・砂利、木材が大半で「開港」をめざすためには貨物の種類や量を大幅に増やし、荷役業者や
設備を整えたり、外国との輸出入に活路を見いださなければいけないが、有効な決め手はない。県は「今年に入り、泉南や奈良などで120社を訪問してポートセールスを行ったが、成果は出ていない。今後も継続的に売り込みを続け、一歩ずつ利用実績を上げるしかない」とした。
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