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- ID:
- 48288
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1021
- 見出し:
- 県内のブナ林、2050年に4割減 温暖化の影響予測
- 新聞・サイト名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20101020/CK2010102002000111.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
-
地球温暖化が現状のまま進むと、県内や県周辺に自生するブナ林の生育に適した地域は2050年に60%、2100年には12%までそれぞれ減少するとの影響予測がまとまった。森林総合研究所(茨城県つくば市)が全国規模で行った影響予測と比較すると減少率は低いものの、専門家は「全国に分布
するブナ林は気候の影響を判断しやすい植物で、今後の状況を注意深く把握していく必要がある」と指摘している。
同研究所が08年に行った影響予測によると、年平均気温が2050年に2・3度、2100年には4・4度それぞれ上昇した場合、全国に分布するブナ林は現在から32%、4%にそれぞれ減少する。
国立環境研究所(同)の肱岡靖明主任研究員が森林総合研究所の影響予測を活用し、県内を中心にした影響度合いを検証した。
その結果、現在は県内に広くブナ林の分布可能な地域があり、飯山市といった県北部などの一帯は生育に適した地域になっているが、2050年には分布可能な地域が狭まり、県北部などの適した地域も縮小。2100年にはさらにその傾向が進み、生育に適した地域はわずかになる。
肱岡研究員によると、ブナ林の一部は、温暖化によって標高の高い地域に移動すると予測される一方、生育に適した地域が急速に減少するのが特徴だ。
肱岡研究員は「温暖化は待ったなし。二酸化炭素(CO2)排出量削減などの緩和策だけでなく、温暖化の被害が発生した時にどう行動するかの『適応策』を考えることが重要だ。影響予測などを基に実際の状況を把握し、対策を立てる必要がある」と指摘する。
今回の影響予測は20日、長野市内で開く「地球温暖化にどう対応していくのか」をテーマにした講演会で報告される。
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