v10.0
- ID:
- 48235
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1019
- 見出し:
- 模型がつなぐ人と技 74歳と10代が『100分の1』制作
- 新聞・サイト名:
- 東京新聞
- 元URL:
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20101019/CK2010101902000021.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 都立大江戸高校(江東区千石)美術部の生徒らが、東京スカイツリー(完成時の高さ634メートル)の100分の1の模型を、文化祭の飾りとして制作した。作業に携わった生徒3人のうち、1人は造船技術者だった74歳の現役高校生。ものづくりの経験を若者に伝えながら、6.34メートルの竹製スカイツリ
ーを協力して完成させた。 (小野沢健太)
同校から建設中のスカイツリーがよく見えるため、生徒らが模型の制作を提案し、顧問の鈴木国義教諭(59)が設計図をつくった。本物と同じく、塔体の底辺は正三角形。そこから十八本の竹材が上に伸び、荷造り用の平ひもで編んで筒状にしてある。第一、第二展望台の高さや最上部のアンテナ塔の長
さも、実際の百分の一になっている精巧さだ。
組み立て作業を担当したのが同校三年の山崎晴治さん(74)、一年の鈴木匠さん(16)、一年の高柴遼さん(15)。四月中旬から授業の合間や夏休みに作り、このほど完成した。
山崎さんは若いころ、都内の高校に通っていたが、貧しさなどで卒業しなかった。その後、一九六〇年に石川島播磨重工(現IHI)に入社。ブラジルに渡って長年、造船所に勤務した。十年ほど前に帰国した際、「日本でやり残したことがある」と一念発起し、三年前に単位制の同校へ入学した。
ツリーの模型では、主に土台や展望台などの骨組みを木材で作った。「やっぱりものづくりが好きだから、昔を思い出して楽しかった。若い人に手順を教えたりして、この年になっていい経験をさせてもらいました」と笑う。
塔体の編み込み作業を担当した鈴木さんは「山崎さんは作業が速くて教え方も分かりやすく、さすがだなと思った。編み込みは大変だったけど、作品の完成度が高くて達成感があります」と満足げだった。
ツリー模型は三十、三十一日に開催される同校文化祭「飛翔(ひしょう)祭」で、一階アトリウムに展示する。両日とも午前十一時~午後三時半。地下鉄新宿線・半蔵門線住吉駅、東西線東陽町駅下車、いずれも徒歩十三分。問い合わせは同校=電03(5606)9500=へ。
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