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- ID:
- 48144
- 年度
- 2010
- 月日:
- 1014
- 見出し:
- 早期商用化へ「稲わら燃料」開発加速 川崎重工
- 新聞・サイト名:
- 神戸新聞
- 元URL:
- http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0003528826.shtml
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 川崎重工業(神戸市中央区)が、生物資源(バイオマス)を使った燃料の製造装置の開発を加速させている。稲わらを原料にしたバイオエタノールを製造する実証実験で、自動車燃料に適した品質を達成したと発表。廃木材41件を原料とする発電装置の実証実験も終えた。いずれも、バイオマスの有効利用
を目指す国の認定事業で、早期の商用化を目指す。
バイオエタノールの製造実証装置は2009年11月、約10億円を投じて秋田県潟上市で建設。同県農業公社を通じて稲わらの供給を受け、1日に最大200リットルを生産してきた。99・5%以上の純度や硫黄分の少なさなど燃料としての基準を満たし、走行実験でも安定した性能を確認。12年度までの
実証期間中に、1リットルあたり40円以下の製造コストを目指す。
バイオエタノールは主に、トウモロコシやサトウキビなどを原料にするが、仕入れ価格や量が世界的な需給動向で左右されることから、川重は国内でも確保しやすい稲わらに着目した。同業他社では、三菱重工業(東京)が兵庫県内で実証事業を進めている。
一方、廃木材41件を使った発電設備は、高知県仁淀町で実証実験を行った。林業で余った材木や枝から化学反応によってガスを発生させ、発電用ガスタービンを回す。発電能力は150キロワット。ガス化した後の廃木材のかすは、ペレットと呼ばれる粒状の燃料に加工。地元の温水プールや農業用温
室などに供給している。同町は今後も装置の操業を続けるとともに、川重はほかの自治体などにも同設備を売り込む。
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