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- ID:
- 47638
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0909
- 見出し:
- 「北軽」元気に地元始動
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000001009080001
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 草津温泉と長野県・軽井沢の中間にありながら、観光客が減る一方の長野原町北軽井沢。まちの一体感の乏しさを感じている住民たちが集まり、元気を取り戻すために立ち上がった。19日には秋祭りを開く。住民同士の連携や、別荘で暮らす人たちとの「出会い」を期待している。(石田裕貴夫)
北軽井沢にはかつて、草津と軽井沢を結ぶ草軽電鉄が通っていた。その旧駅舎で7月、電気機関車の木製模型のお披露目式があった。
「これをきっかけに、たくさんの観光客に来町してもらいたい」。高山欣也町長は、機関車を復元した北軽井沢コンソーシアム協議会の活動に期待を込めた。
協議会は昨年5月発足。観光協会、商工会、JA、非営利組織(NPO)、別荘の住民、ペンション経営者らが加わった。
酪農と農業がさかんで、観光地、別荘地でもある北軽井沢。群馬大の教授や学生らが連携し、観光資源の洗い出しや活性化に向けた課題を何度も話し合った。
機関車模型のほか、地名を「きたかるいさわ」と呼ぶことにし、観光案内板を設置。情報誌「きたかる」を創刊した。NPO理事長の福嶋誠さん(58)は「これまではそれぞれ縦割りでやってきたが、一体感が生まれてきた」と話す。
町によると、地元を代表する観光地の浅間牧場を訪れた人は約32万人(2008年)と、最盛期の3分の1近くに落ち込んでいる。キャンプ場や浅間火山博物館がある浅間園なども同様だ。
NPO代表の新井光さん(54)は「別荘地で、観光地。黙っていても人が来てくれるとあぐらをかいていた」と打ち明ける。
一方、町全体の人口が減り続けるなか、北軽井沢は1615人(今年3月末現在)で昨年より14人増えた。「別荘に永住する人や移住してペンションを経営する人が増え、地元に溶け込もうとしている」と町議の黒岩巧さん(51)。
祭りでは、地元の野菜や乳製品を使ったスープのコンテストなどを計画。「とかく疎遠だった移住者と地元の人々、観光と農業、酪農の出会いの場にしたい」という。
協議会にかかわってきた群馬大社会情報学部の森谷健教授は「軽井沢が洗練された消費の場だとすれば、北軽井沢は開発の手が及んでいない生産の場。車で20分ほどのところに異質の世界が広がっている。これを観光に生かさない手はない」と指摘する。
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