v10.0
- ID:
- 47621
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0908
- 見出し:
- 点検「社会貢献」投資 寄付より壁低く資金の使途明確
- 新聞・サイト名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://www.nikkei.com/life/finance/article/g=96958A96889DE3E6E2E2E4EAEBE2E2E1E2EBE0E2E3E29F8898E2E2E3;p=9694E3E1E2E3E0E2E3E2E1E4E3EB
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 発展途上国の貧困層への融資や森林再生、グリーンエネルギー開発などを支援する「社会貢献型」の投資が広がっている。「自分のお金が社会問題の解決に役立っている」という満足感や、通常の投資と比べて資金の使途が明確であることなどが好感され、従来投資に関心のなかった層にも受け入れられ
ているようだ。ただ、事業がうまくいかなければ元本割れの恐れがあるなど、リスクも抱えている点には注意する必要がある。東京都内の大学に通う栗島祐介さん(21)は昨年、カンボジアのマイクロファイナンス機関に出資するファンド「カンボジアONE」を1口(3万円)購入した。マイクロファイナンスとは貧困層
向けの無担保小口融資のことで、1人当たり数百ドルを貸し付け、商売や農業の元手にしてもらうことによって、貧困層の自立を支援するのが狙いだ。
カンボジアのマイクロファイナンスの利回りは、年2%程度(2008年実績)。定期預金(1年物円定期で現在0.2~0.5%程度)よりは高いが、投資商品としてそれほど魅力的とはいえない。融資は米ドルで行うので、為替相場が円高に振れれば損失を被るリスクもあるが、栗島さんは「低金利の預金に寝かせ
ておくよりは、多少なりとも収益が出て、貧困解決に貢献もできるファンドにお金を使いたいと思った」と話す。
貧困層への支援というと、これまでは寄付が一般的だった。しかし、資金的な余裕がない人には難しいほか「使い切り」になるため、継続的な支援になりにくい面があった。ファンドならば、事業がうまくいけば元本に多少なりとも利益が上乗せされて手元に戻ってくるので、資金の拠出者の心理的負担が軽減で
きる。また、戻ってきた資金を別のファンドに投資するなど「持続可能なお金の流れをつくれることができるという利点もある」
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