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- ID:
- 45904
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0507
- 見出し:
- 分収林の県、公社債務77億円
- 新聞・サイト名:
- 下野新聞
- 元URL:
- http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20100506/319071
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
-
民有地に造林し伐採時に収益を地権者と分け合う「分収林」事業で、2008年度末の県の長期債務利息が13億円あり、元金と合わせた残高が42億円に上ることが6日、県環境森林部への取材で分かった。県森林整備公社分の35億円と合わせた債務総額は77億円に達する。同公社の債務処理などを議
論する検討会が3月末に設置され、県はその結果を踏まえ、今夏までに対応方針を決める予定だが、県分収林との一体処理が課題になる。債務増大を招いた過去の対応も問われそうだ。
同部によると、県の2008年度末の元金残高は29億円。面積は6123ヘクタール(契約件数465件)。公社の分収林(2138ヘクタール)の約3倍に上る。
1910年度に始まった県の分収林事業では、伐採期の森林が毎年発生。しかし、木材価格の低迷で期待した収益は得られず、育林に投じた借入金の返済資金が不足する事態になっている。
このため、県は県有林(4900ヘクタール、主に天然林)と併せて運営する特別会計に、一般会計から返済資金を補てん。08年度決算での繰入金は約3億4400万円に達する。
一方、公社の分収林の中には個人から1口30万円の出資を募る「3者契約」の森林が33ヘクタールある。契約額は354口計1億620万円。出資者への分配金は、出資額の6割ほどに減っているという。
県が分収方式見直しに重い腰を上げた理由について、関係者は「自治体財政は火の車で不採算事業を続けられる余裕がなくなった」と分析。「これまでは木材価格回復への期待などで見直し機運が高まっていなかったのでは」とみている。
分収林事業は、全国的に林業公社の多額債務が問題になっており、債務総額は1兆円を超える。森林整備法人全国協議会の調べ(08年3月末時点)では、2公社を抱える滋賀県の債務残高は891億円。本県公社は23億円(元本)で、全40公社のうち少ない方から5番目の位置にある。
県は86年の公社設立後、新規の分収林契約は行っていない。公社も2007年度に新規契約を中止した。
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