v10.0
- ID:
- 45900
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0507
- 見出し:
- 伊藤園、イムラ封筒・リンテックと共同で茶殻を配合したお茶封筒「お茶殻入り封筒」を開
- 新聞・サイト名:
- マイライフ手帳@ニュース
- 元URL:
- http://www.mylifenote.net/009/ito_65.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 伊藤園は、イムラ封筒、リンテックと共同で、同社独自の「茶殻リサイクルシステム」を活用し、茶殻を紙パルプに配合したお茶封筒「お茶殻入り封筒」を開発した。5月以降、同社で使用する封筒(角形2号、長形3号)を順次、「お茶殻入り封筒」に切り替えるとともに、イムラ封筒でも企業向けに販売する予定と
なっている。
「お茶殻入り封筒」には、100枚(角形2号、坪量68g/m2)あたり「お~いお茶」500mlペットボトル約50本分の茶殻を配合しており、その分の紙原料の使用量削減につながるとのこと。また、茶殻には植物として吸収した二酸化炭素が炭素分として固定されているが、「お茶殻入り封筒(角形2号、坪量68g/m2)
」にも100枚あたり約220g-CO2(ヤナコHCNコーダー MT-700HCN型(ヤナコ分析工業製)によって炭素量を測定)の茶殻由来の炭素分(二酸化炭素換算)が固定される計算になるという。
「お茶殻入り封筒」は、一般のクラフト紙に比べて封筒中身の情報漏えいを防ぐ情報保護性に優れているのだとか。通常、クラフト紙を使用した封筒では、紙を薄くすることで軽量化を図るが、反面、封筒の中身が透けて見えるという情報保護上の課題も抱えていた。今回開発した「お茶殻入り封筒」は、20%
の軽量化(現在当社で使用している角形2号の封筒(坪量85g/m2)と角形2号の「お茶殻入り封筒」(坪量68g/m2)を比較)と 一般的な封筒と同等の情報保護性
を両立させているという。また、封筒の軽量化は紙の腰が弱くなるという課題があったが、イムラ封筒、リンテックおよび同社の技術協力によって、通常のクラフト紙と同等の品質レベルを実現しているとのこと。
「お茶殻入り封筒」の表面には配合した茶殻が模様となり、ひとつの美粧性に富んだデザインを形成しているという。また、お茶の香りがある、抗菌・消臭効果があるといった特長もあわせもっているという。
同社では「お~いお茶」をはじめとする日本茶飲料の売上拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も年々増加しているとのこと(2008年度の排出量は約4万1000トン)。そうした中、「みんなで環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、茶殻を環境配慮型の工業製品などに有効活用する研究
に取り組み、茶殻の抗菌・消臭効果を利用した製品(畳、せっこうボード、ベンチ、ボールペンなど)や紙原料削減につながる製品(名刺や紙ナプキンなど)を開発するなど、独自のリサイクル技術「茶殻リサイクルシステム」を確立しているという。また、製造工程においても含水率の高い茶殻を乾燥させず、その
まま有効活用(リサイクル)する独自技術を開発しているのだとか。今回の「お茶殻入り封筒」を開発する際にも「茶殻リサイクルシステム」を活用しているとのこと。
一方、イムラ封筒は「かけがえのない地球の良い環境を子々孫々まで伝えるために、企業活動を通じて、また社会活動を通じて、一人ひとりが環境保全に積極的に取り組む」という基本理念のもと、森林認証の取得や封筒業界初の環境報告書の発行など、環境に配慮した事業展開を行っている。製品とし
ては再生紙封筒や間伐材封筒などを提供しているが、これらの環境配慮製品は外観での判別が困難であることから、消費者がひと目でわかる、環境にやさしい新たな素材を模索してきたとのこと。また、リンテックは「地球は一つ、大きな視野で快適環境に尽力しよう」をスローガンに、合法的かつ適切に管理さ
れた森林からの木材を原料とするパルプ(森林認証パルプ、植林木パルプを含む)、および再・未利用材から得られるパルプ、非木材パルプなどを使用した製品作りを行っているという。
今回、同社の「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」、3社の「地球環境に配慮した製品づくり」「未利用素材の有効活用」という考え方が合致し、「お茶殻入り封筒」の開発に至ったとのこと。5月以降、同社で使用する封筒(角形2号、長形3号)を順次、「お茶
殻入り封筒」に切り替える予定だとか。これによって、封筒の軽量化および茶殻の有効活用により、年間約840kgの紙パルプ使用量削減効果が期待される(2009年度の同社の角形2号、長形3号封筒使用量から計算)。
イムラ封筒は5月12日から14日に東京ビッグサイトで行われる「ダイレクトマーケティングEXPO」に「お茶殻入り封筒」を展示するとともに、6月上旬に「お茶殻入り封筒」の販売を開始する予定だ。
..