v10.0
- ID:
- 47115
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0805
- 見出し:
- ケナフ原料のレーヨン開発 加古川の繊維会社
- 新聞・サイト名:
- 神戸新聞
- 元URL:
- http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0003282956.shtml
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 絹に似た光沢を持つ繊維、レーヨンの原料を、木材から草の一種「ケナフ」に替えて商品化することに、加古川市の繊維会社が日本で初めて成功した。環境に優しい素材とされるケナフを用いることで、衣料面から環境負荷の低減に取り組む。品質的にも従来品と同等以上で、早ければ来春にも、衣料品として
店頭に並ぶ見通しという。(武藤邦生)
オーミケンシレーヨン(加古川市)が製造、親会社のオーミケンシ(大阪市)が販売する。
従来のレーヨンは、木材の繊維を化学的に分解して製造する。森林伐採の懸念もあるため、同じ植物繊維の「草」に着目、特に成長が早いケナフに着目した。
ケナフはアオイ科の一年草で、二酸化炭素の吸収量は杉の10倍以上。半年ほどで収穫できるため作付面積を大幅に削減でき、森林の保護につながる。また農薬を使わず栽培可能で、土壌汚染の心配もないという。
木材とケナフで製造法に大きな違いはないが、量産化に必要な専用プラントを、オーミケンシレーヨンに導入。強度や色合いは木材原料のレーヨンと同水準、柔らかさではそれを上回るレベルに仕上がり、7月にアパレル企業などに向けて、糸、生地の販売を始めた。
ブランド名は「リ・テラ」。再生を表す「リ」とラテン語で地球を示す「テラ」を組み合わせた。ケナフに加え、竹やジュートを用いたレーヨンも今秋発売予定。牛乳パックを再利用した繊維の実用化も目指す。
現在のところケナフレーヨンは従来品より2割ほど高価だが、オーミケンシ生産・技術開発事業部の森雅博ディレクターは「普及すれば、価格は逆転する。環境に優しいケナフが、レーヨンの主流となることを目指したい」としている。
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