v10.0
- ID:
- 47098
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0804
- 見出し:
- 讃岐の茶室 柱にはヒノキや松のシャレ木、ヒバのあて丸太
- 新聞・サイト名:
- 四国新聞
- 元URL:
- http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/culture/article.aspx?id=20100803000128
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 香川県東かがわ市引田にある井筒屋(現在の井筒屋敷)は引田御三家の一つで、江戸時代から地主や商家として繁栄した旧家だ。1997年以降、住む人がいなくなり、荒れ放題になっていたが、地元有志の熱意で自治体による改修が行われ、2005年に一般公開された。現在は、東かがわ市ニューツー
リズム協会が管理をしている。休日には県内外から訪れた大勢の観光客でにぎわう。
広大な敷地の中心に庭と茶室がある。母屋から欄干のある渡り廊下を進む。茶室を囲む廊下の欄間は松竹梅のデザイン。柱にはヒノキや松のシャレ木、ヒバのあて丸太など異なる種類の木材が使われている。天井にも北山杉の小丸太とクリのなぐりが交互に入っている。
4畳の水屋の隣に6畳の茶室。茶室の欄間の下地窓は、ハマグリの形を写し取っている。小舞は黒檀で、席内から見ると障子に帆掛け船の形が映る。障子の開け閉めで意匠が変わる趣向だ。
壁の腰板には神代杉が使われている。床は二つに分かれていて、向かって右は一間の畳床、左が半間の板床である。床柱は北山杉、向かって左の柱はびんろう樹。天井は春日杉の平天井だ。
ぜいたくな木材の取り合わせや、海の生き物をモチーフにした意匠に往時の茶室の姿がしのばれる。今は資料もなく想像するしかないが、海を渡ってきた多くの客人をもてなしたのだろう。
讃州井筒屋敷では16日まで、隣接のかめびし屋が所蔵する掛け軸を紹介する「かめびし蔵の虫干し展~奥座敷 夏のしつらえ」が開催されている。引田の町歩きの折にぜひ、立ち寄っていただきたい。
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