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- ID:
- 45870
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0503
- 見出し:
- きょうは「みどりの日」 セネガル、進む砂漠化--サール駐日大使が講演
- 新聞・サイト名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/life/ecology/news/20100504ddm010040007000c.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
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植林、経済優先で難航
ガブリエル・サール駐日セネガル大使(在東京アフリカ外交団副団長)がこのほど創価大学で、「セネガルの環境問題」と題して講演した。アフリカでは深刻化する砂漠化を阻止しようとする植林プロジェクト「緑の大壁」(Great Green Wall)が取り組まれているが、経済的事情などで植林がなかなか進まない
状況を報告した。【真田和義】
アフリカでは、人口増加などの人的要因と、気候変動による自然的要因により、砂漠化が進行している。防止対策として注目されているのが植林だ。MOTTAINAIキャンペーンは昨春から、ケニアで20万本の植樹活動「緑のMOTTAINAIプロジェクト」に取り組んでいる。
さらに壮大なプロジェクトである「緑の大壁」は2005年、アフリカ国家元首会議が提唱した。サハラ砂漠の西側にあるセネガルから東のジブチまで11カ国を横断する延長7000キロの森林をつくる。
セネガルは面積19万6000平方キロ、人口1200万人の農業国だ。人口は独立後の50年間で3倍以上に増えた。耕地拡大、家畜飼育、さらに燃料や家屋を得るための森林伐採によって、むき出しになった土地は劣化し、砂漠化した。
プロジェクトは緑を取り戻し、貧困からの脱出を図ることが目的だが、計画はなかなか進まない。07年までの2年間はセネガルで7キロを植林しただけで、その後の2年間も10キロにとどまる。経済対策が優先され、緑化は後回しだという。
セネガルは独自に「エコ村プロジェクト」も進めている。食料は自給自足で、太陽光発電など再生可能エネルギーを活用して村の整備を目指す。
サール大使は、衛生環境改善などの活動に対する日本の支援に感謝するとともに、「日本の資金を受け身で享受するのではなく、エコ村のように目的と手段を考え、明確なプロジェクトで環境問題に対応したい」と述べた。最後に「ちりも積もれば山となる」と日本のことわざを引用し、「一人一人の環境意識を
高めることが問題の緩和策の一つになる」と語った。
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