v10.0
- ID:
- 46577
- 年度
- 2010
- 月日:
- 0626
- 見出し:
- 登山者見守る「祠」新調 最高級の木曽ヒノキを使用
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20100626-OYT8T00940.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 岐阜、長野両県にそびえる乗鞍岳の剣が峰(3026メートル)山頂に祭られている二つの祠(ほこら)のうち、長野県側の祠が老朽化に伴い半世紀ぶりに新調され、今月末に設置されることになった。飛騨の匠(たくみ)の技を受け継ぐ高山市内の木工業者が製作したもので、山頂の厳しい自然の中で末永く登
山者の安全を見守ることになる。(赤塚堅)
長野県側の祠は最初、昭和初期に建てられたとされるが、伊勢湾台風(1959年)で半壊して新調。その後に修復もされたが、傷みが激しくなっていた。今回新調した祠は、高さ約88センチ、幅約1・1メートル、奥行き約96センチ。風雪に耐えられるよう、古い祠より一回り小さくなっている。
製作したのは、高山市の木工房「MOTOI」の高田基さん(42)と大工の森悟さん(40)、二村茂一さん(31)。山頂近くにある頂上小屋の経営者、筒木東洋男さん(66)の依頼で、4月中旬から1か月半がかりで仕上げた。費用は登山者らのさい銭を充てた。
「長持ちするよう工夫した」という高田さんらは、建材として伊勢神宮(三重県伊勢市)が払い下げた木材や最高級の木曽ヒノキを使用。雷対策としてクギなどの金属をほとんど使わず、丁寧なかんながけで吸水性を抑え、雨や腐食に強くした。屋根には、栗の木を薄く切り取った板を四段重ねにして瓦のよう
に見せ、重厚感を演出した。
筒木さんは「真冬と夏場で温度差が40度近い山頂では風化も激しいが、登山好きで技術もある高田さんらが立派に作ってくれた。新しい祠で登山の無事を祈ってほしい」と話している。
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