ID :
14488
公開日 :
2009年 12月20日
タイトル
[木のぬくもり玩具に
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20091220-OYT8T00843.htm
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元urltop:
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写真:
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積み木、家具など60種類
おもちゃ作りの切っ掛けになった凪彩ちゃんに作ってあげた「ガラガラ」(左)と最新作の「ちいさなすなば」
岐阜市粟野西3の民家の玄関扉を開けると、廊下に置かれた数十センチ四方のキッチンやドレッサーなど精巧な木製模型が目に飛び込んできた。左脇の部屋には、長辺が120センチの大きな対面キッチンの模型があ
り、蛇口やガスレンジも再現されている。その上には同じく木製のヤカンや鍋、フライパン、皿、カップから目玉焼き、ソーセージなどが並び、小さな姉妹が母親とままごと遊びに熱中していた。
後ろで笑顔を見せていたのが、これらのおもちゃを作っている梅田正一さん(33)。作品はすべて県内産のヒノキやケヤキ、ブナ、スギ、サクラなど県内産材を使っている。種類は小さな積み木から、家具類まで約60。
木のぬくもりと精巧さにあふれ、価格も手頃なことからインターネットと口コミで評判が広がり、東北、関東からも小さな子どもを連れた夫婦が工房を訪れる。
梅田さんは愛知県豊山町出身。浄水器のフィルター製造会社に勤めていたが、2007年に会社を辞め、岐阜市に家を新築した。何か事業を起こそうと漠然と考えていた昨年春、長女の凪彩(なぎさ)ちゃん(3)に、おもち
ゃとして家を建てた時の端材で二つ1組の「ガラガラ」を作った。凪彩ちゃんは両手で握っていつまでも飽きることなく遊び続けた。
「これだ!」。梅田さんは娘の喜ぶ顔を見て、木製のおもちゃ作りを仕事とすることを思い立った。
それまで木工作業や工作機械を使った経験は全くなかった。だが、材木と機械をそろえ、設計図は書かずに頭の中で描いたイメージをそのまま形にしていった。昨年8月、自宅に併設した工房を「桜梅桃李(おうばいとう
り)」と名付け、一般への販売を開始した。当初は全く引き合いがなかったが、フリーペーパーに広告を出し、インターネットのホームページを開設すると、徐々に反応が出てきた。
品物は小さな積み木などで数百円、大きなキッチンや家具は数万円。長辺が120センチのオープンキッチンは一番高く9万円するが、同様の他社製品と比べ割安なため、すでに数十台が売れた。
工房名は仏教用語に由来するもので、他人と自分を比べることなく、サクラやウメのようにそれぞれが輝けるようにとの思いを込めた。梅田さんは「木のおもちゃは傷が付いてもそのまま思い出になる。壊れたら父親が
直してあげれば、親子のきずなはより深まると思う。自分も今、子育ての真っ最中。おもちゃを通じて子育てのお手伝いをしたい」と話している。
問い合わせなどは桜梅桃李(058・237・3776)。ホームページはhttp://www.oubaitouri―umeshou.jp