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木造建築のネツト記事
ID :  12587
公開日 :  2009年 7月19日
タイトル
[住まいナビ:中古住宅購入時の「住宅診断」とは。
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/housing/news/20090720ddm013100025000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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中古住宅購入時の「住宅診断」とは。
 ◇プロの目で不具合点検  ◇ひび・雨漏り・傾きなど/業者選びは実績重視で  新築に比べて割安な中古住宅が、景気低迷などを背景に見直されている。しかし、中古の場合、設計図面がない時もあり、建物が安心できる品質かどうか素人の目では判断に迷う。そこで、1級建築士ら専門家が第三 者の視点で、雨漏りや床の傾きなどをチェックする住宅診断が注目されている。英語で「検査」の意味の「インスペクション」を使った「ホームインスペクション」という用語も住宅関連図書でよく見かけるようになった。
   *  「屋根裏など目の届きにくいところを点検してもらえて、安心できました」。今年5月、2階建てツーバイフォー住宅の購入に際して住宅診断を利用した兵庫県三田市の主婦、種子田(たねだ)由紀さん(26)は話す。外壁 やバルコニーなども調査し、大きな不具合は見つからなかった。購入物件とは別の家では、床が傾いていることが診断で分かり購入を見送った経緯もあり、「診断は保険のようなもの。非常にありがたい」と満足する。
 種子田さん宅を調査したのが、神戸市に建築士事務所「伊藤建築コンサルタント」(電話078・846・1224)を持つ1級建築士で、NPO法人「日本ホームインスペクターズ協会」(東京都中央区)元副理事長の伊藤裕啓 (やすひろ)さん(44)。伊藤さんは大阪市など行政の消費者セミナー活動にも尽力し、年間60件に及ぶ住宅診断を手掛ける第一人者だ。
 「ここ2、3年で(住宅診断の)認知度が高まってきました。リフォームをする時もいきなり業者に依頼するのではなく、建物の不具合の程度を事前に分かっておきたいと、建築士の診断を受ける人が増えてきました」と指 摘する。
 調査項目はケースごとに異なるが、一般的なのは、建物の基礎部分のひび割れや欠損▽外壁のはがれや変色▽屋根や天井裏の雨漏り跡▽床下のシロアリ被害▽床の傾斜--など。大まかな補修費用も算出する。目視 チェックが一般的で、点検口のない床下などは対象外なので注意したい。マンションは内装のみの点検で見る個所が少ないため、希望者は少ない。一般的な戸建ての場合、調査時間は2時間程度で済む。気になる費 用だが、延べ床面積150平方メートルまでの戸建てで5万~15万円程度と、業者により開きがあるのが実情だ。
  *  信頼できる診断業者を見分けるポイントはまず、実績が豊富かどうか。「その上で、これまでの診断報告書を見せてもらおう。建物の不具合の原因がきちんと書いてあるかを確かめて」。長年住み継がれる家の普及を 目指し住宅相談などで消費者をサポートし、診断も手掛けるNPO法人「住宅長期保証支援センター」(大阪市中央区)専務理事、鈴森素子さん(63)はアドバイスする。
 さらに鈴森さんは「建築士の資格があればオールマイティーだと思い込みがちだが、住宅設計や意匠、診断など建築士によって得意とする専門分野が違う。診断にたけた建築士を選びたい」と話す。事前に調査費用と 項目は必ず文書で確認しておきたい。【遠藤哲也】 ==============  ■+α  ◇道具活用し診断、特殊機材も  住宅診断は目視といっても、床の傾きを調べる水平器=写真上▽コンクリートの浮きを調べるパールハンマー=同中央の棒▽ひび割れを調べるクラックゲージなどの道具を利用し、診断ミスを防止する。特殊機材を使 った診断もある。
 「日本ホームインスペクターズ協会」(電話03・5614・6553)は1級・2級建築士ら約80人のインスペクターがいる。「住宅長期保証支援センター」(電話06・6941・8336)は住宅メンテナンス診断士という名称で育 成している。