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木造建築のネツト記事
ID :  8148
公開日 :  2008年 9月30日
タイトル
[軽井沢のレーモンド建築「樅の木の家」 ミネベアが補修
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新聞名
信濃毎日新聞
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元URL.
http://www.shinmai.co.jp/news/20081001/KT080930FTI090016000022.htm
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元urltop:
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写真:
 写真が掲載されていました
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 日本の近代建築に影響を与えた建築家アントニン・レーモンドが設計した北佐久郡軽井沢町旧軽井沢の山荘「旧足立別荘」について、所有するベアリング製造などのミネベア(北佐久郡御代田町)が補修工 事を進めている。歴史的建築物が軽井沢から次々と姿を消す中、保存を求める地元の声に応えた。山荘は同社保養施設の敷地内にあるため、公開するかどうかなど今後の扱いは検討中としている。
 山荘は、レーモンドが自身の弁護士の避暑用に1966(昭和41)年に建築。同社は86年に取得した。庭のモミの大木が各部屋から正面に見えるよう全体が扇形をしており、「樅(もみ)の木の家」とも呼ばれる。
 庭の景色を取り込む大きな窓、むき出しの丸太の梁(はり)といったレーモンド建築の特徴を備えており、米国で2006、07年に開いたレーモンドの企画展ではカタログの表紙写真に使われた。
 そのことを昨年夏、軽井沢で歴史的建築物の調査や保存に取り組む「軽井沢ナショナルトラスト」の副会長、松岡温彦さん(68)=東京=が同社に紹介。今年4月にモミの枝が折れた際、長年の風雨にさらされ傷んでい た山荘の取り壊しも含めてミネベア社内で話し合い、同社は「地域の文化保護にかかわろう」とテラスや屋根を本格的に補修することを決めた。
 軽井沢では、老朽化や所有者の交代で歴史的建築物が相次ぎ姿を消している。同トラストの中島松樹会長(74)=軽井沢町=によると、レーモンドは軽井沢で聖パウロ教会など十数軒を建築したが、現存するのは旧 足立別荘を含めて5軒。全国で保存活動が活発な米国人建築家ヴォーリズ(1880-1964年)の建築物も、軽井沢で手掛けた約60軒のうち残るのは20軒ほどだ。
 中島さんは「旧足立別荘は、斜面の立地条件など周囲の自然環境にふさわしく設計された。軽井沢の歴史を物語る建物を現地でそのまま残せれば、価値は大きい」と話す。
 ミネベア広報室は「建物は保養施設敷地内にあり、簡素な木造で耐久性も低いため、一般への公開は難しい」とする。自社で何らかの活用をするか、学術調査などに限定して公開するかどうか-などを検討していると いう。