ID :
7217
公開日 :
2008年 4月17日
タイトル
[京阪神の3市、木造住宅の耐震改修補助を拡充「直下型」対策急ぐ
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新聞名
日経ネット関西版
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元URL.
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news003864.html
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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大阪市や京都市、神戸市が民間木造住宅の耐震改修への補助制度を拡充する。助成対象を拡大したり、補助率を引き上げたりして居住者の費用負担を和らげる。1981年の建築基準法改正以前に建てられた
木造老朽住宅が多い京阪神では直下型地震が発生した場合、火災よりも建物倒壊による被害が大きいとの指摘もあり、対策を急ぐ。
大阪市は4月、耐震改修の助成対象を拡大した。従来は耐震診断で建築物の構造強度を示す「上部構造評点」が1.0以上(倒壊しない)になるよう補強する必要があったが、今回は0.7以上(瞬時に倒壊しない)に緩和した
。筋交いが少なくても済むことなどで費用も従来の7割程度に軽減できるという。
▼1部屋だけでも
主寝室など1部屋だけを補強する「シェルター型」への補助も設けた。部材と施工費を含めて30万円台から導入できる。耐震改修補助率についても従来の15%から23%に引き上げた。
市内の住宅のうち耐震対策がされたものの比率(耐震化率)は2003年度時点で71%と全国平均を4ポイント下回る。木造戸建て住宅だけをみると、07年度時点で48%に当たる約12万戸の耐震性が不十分だったと市は推
計している。
1部屋だけを補強するシェルター(白い建物)は導入費が安く、建物が倒壊しても中にいる人は守られる
07年度の耐震改修費補助制度の利用者はわずか8件。2階建て延べ床面積100平方メートルで100万―250万円かかる改修費の負担が重いほか、95年に阪神大震災があったのでしばらく大きな地震はないとの思い込み、
窓口が平日しか開いていないなど使い勝手の問題もあるとみている。
▼官民で業者紹介
そこで市は今月から、土日祝日も営業する耐震・密集市街地整備支援課を住まい情報センター(北区天神橋)内に新設。利用希望者が週末でも相談に訪れやすいよう配慮した。安心して依頼できるリフォーム業者を紹
介する大阪市耐震改修支援機構も近く官民で設立する計画だ。
京都市は花折断層などの活断層が引き起こす被害が心配され、4月から木造住宅の補助率を50%に引き上げた。対象地域も市内全域に拡大。大阪市と同様、構造評点0.7以上も助成対象に加えた。京都特有の木造建築
「京町家」についても補助率を引き上げた。
阪神大震災で大きな被害を受け、耐震促進事業が進む神戸市も、都市計画総局に今月、耐震化促進室を新設した。木造住宅などの民間建築物の耐震化に取り組む。
まず市民への普及啓発に重点を置き、耐震補強工事の見学会などを実施する計画だ。筋交いによる柱の補強工事などをしている現場を公開し、簡単な工事で高い耐震効果が期待できる点などを知ってもらう。
3市はこうした促進策により、耐震化率を現状の72―84%から2015年度までに90―95%に高める