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植木の産地として知られる浜松市浜北区で育ったマキがここ数年、中国や台湾に輸出されている。国内ではマキやマツなど和風の大きな植木の需要が減少しており好景気に沸く中国などでの販路拡大によ
る地場産業の活性化に期待がかかる。 (浜北通信部・河野貴子)
樹高のあるマキは、バブル崩壊前まではゴルフ場などによく売れた。近年は住宅が洋風化した上、手入れの楽な花木が人気で、大きな木は売れにくくなっていた。浜松北植木市場の小林健社長(45)は、費用をかけて
何十年も育てた植木が売れず「『チェーンソーで切っちゃおうか』という生産者もいた」と振り返る。
農林水産統計指標によると旧浜北市の「種苗・苗木・その他」の生産高は1991年度に9億1300万円だったが、2004年度にはほぼ半減した。
ところが4年前、突然台湾から買い付け業者がやってきた。今は香港などと合わせて約6社が商談に訪れる。販売価格はバブル期には劣るものの、国内価格の1-2割増し。1カ月に100本ほどのマキが1本当たり数万
円から数百万円で取引される。
植木は、現地の富裕層宅や寺院の庭に植えられるらしい。小林社長は「植木も『メード・イン・ジャパン』は現地でのステータス」と自信を深める。植木業界関係者も「バブル後、動きにくくなっていた大きな木が売れている
」と歓迎する。
県西部農林事務所の職員は「中国では日本庭園がブームと聞く。植木という“芸術品”が求められているのだろう。地域経済にとってもいいこと」と話す。
ただ、病害虫を持ち出さないための厳密な消毒や煩雑な手続きが必要なことなどから、輸出に携わるのは浜北区内の生産者250-300軒の一部に限られている。
そのうちの1軒でもある小林社長は「バブル後、売れなくて本当に苦しい時代があった。今回の需要で助かった人は多いと思う」と話す。さらに「日本の伝統文化を理解するきっかけになれば」と文化面での効果も期待し
ている。
マキ 温暖な地方に自生する常緑高木。遠州地方では「ホソバ」と呼ばれ、民家の垣根などに多く使われている。旧浜北市の市の木。マキ科にはイヌマキ、ラカンマキなどがある。輸出されているのは主にイヌマキ。+
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