1. HOME
  2. 木の情報発信基地Top
  3. 9.建物
  4. 木造建築のネツト記事 TOP
木造建築のネツト記事
ID :  6985
公開日 :  2008年 4月 2日
タイトル
[日銀短観で企業収益は下期から急回復予想、金融不安拡大など不透明
.
新聞名
ロイター
.
元URL.
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-31106220080401
.
元urltop:
.
写真:
 
.
[東京 1日 ロイター] 3月日銀短観は、円高や株安・原材料高といった厳しい環境が企業マインドを直撃、ほぼ全業種で景況感が悪化した。全規模全産業ベースで07年度下期の経常利益は前回12月調 査から4.8%下方修正され、07年度見通しが経常減益に転じるなど、第4・四半期に企業マインドが急速に悪化したことが読み取れる。
 一方で、08年度下期から収益の急回復を見通していることも分かったが、原材料高・円高の先行きや金融不安の広がりなどが不透明要因となっている。
 3月日銀短観では、大企業27業種のうち、3業種を除いて業況判断が悪化した。
 大企業で業況判断DIの悪化が目立ったのは建築基準法改正の影響を受けた「木材・木製品」や地価上昇が踊り場に差し掛かった「不動産」、設備投資鈍化や輸出採算悪化の影響を受ける「精密機械」、原油価格上昇の 影響で「石油・石炭製品」「鉄鋼」などだった。「原材料高に加え、円高、株安のスピードが速く、企業にとって厳しい時期の短観調査だった」と日銀筋は解説している。
 次回短観の6月までの先行き予測について、建築基準法改正の悪影響が薄らぐ「木材・木製品」や「建設」は改善をみているが、米経済の景気減速懸念や円高という不透明要因から「自動車」や「造船・重機」がDIの大幅 悪化を見込んでいる。造船やプラントは、数年分の受注残を抱えているものの、原材料費が上昇しており、採算は悪化。3月31日に業績下方修正を発表した千代田化工建設(6366.T: 株価, ニュース, レポート)は、資材価格上昇とともに中近東の人手不足による人件費増もコストアップ要因になったと説明している。自動車も、2月の生産台数は前年比9%増となるなど依然として堅調だが、鉄鋼メーカーとの鋼材価格 の値上げ交渉が続いており、採算面では厳しくなることが予想される。     短観で企業収益の見通しを見ると、全規模全産業の07年度下期の売上高は前回12月調査時から修正がなく計画通り進んだものの、経常利益は4.8%下方修正され、年度を通じても減益での着地となる見通し。08年 度上期も増収減益が続くが、下期は7%増益への回復を予想している。こうした予想の前提となるのは、少なくとも、円高や原材料高の進行が止まることが必要になる。07年度下期に急激なコストアップに見舞われたた め「売上げ数量が落ちないのであれば、裏が出ることで、増益になる」(日銀筋)との見方だ。
 さらには、米国でのサブプライム(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題の影響により、3月短観では「企業の資金繰り判断」や「貸し出し態度判断」も若干悪化した。日本でも金融機関が慎重姿勢をさらに強めるよ うならば、企業が描く08年度下期回復シナリオは難しくなる。   今回の短観を受けて、ゴールドマンサックス証券チーフエコノミストの山川哲史氏は「景気後退入りを再確認した」として、日銀は4月30日の展望リポート(経済・物価情勢の展望)で景況判断を修正し、早ければ4月中に も金融緩和に踏み切るとの見方を示した。こうした声が出ていることもあり、株式市場でも「日銀による利下げが現実味を帯び、利下げ期待から日本株は下がりにくい状況が続きそうだ。久々の日本特有の材料と言え、持 続力がない株価上昇が続くとしても急速な下げトレンドにはなりにくい」(ユナイテッド投信投資顧問シニアファンドマネージャー・高塚孝一氏)としている。