ID 1845
登録日
2006年 10月16日
タイトル
専門業者が厚板15枚に加工
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新聞名
埼玉新聞
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元URL.
http://www.saitama-np.co.jp/news10/16/07l.html
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元urltop:
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写真:
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寄居町指定の名木で、二年前に枯死した大モミジが製材され、小川町で“第二の人生”を待っている。推定樹齢三百年。寄居町風布の山林に立ち、地元では「扇沢の大モミジ」の名で親しまれた。元の持ち主は
「地元の宝だったが、加工品として再生されるならうれしい」と見守っている。
山中から搬出された大モミジの一部。山田さんが最初に持ち込んだ製材所では、大きすぎて手に負えなかった(今年4月、大久根茂さん撮影)
この大モミジはイロハモミジ(タカオモミジ)という種類で、寄居町風布扇沢の坂本隆雄さん(80)所有の山林にあった。一九八九年、町制百周年記念で町の名木に指定。県立自然の博物館の学芸員で「埼玉巨樹紀行」の
著書がある大久根茂さん(54)によると、指定当時の幹周り三・六二メートル、樹高二十五メートル。県内最大のモミジだった。
大久根さんが訪ねたのは二〇〇二年十一月。枝は枯れ、幹の樹皮がはがれ落ちるなど衰えが目立った。二年後、根元から倒れているのを坂本さんが発見。周囲のヒノキが成長して日照が悪くなったのがこたえたらしい
。堅い岩盤の上に生えていたため根も浅かった。
かつては下の集落からその姿が見えた。「きれいに赤く紅葉すればその年の米は豊作、だめなら不作という言い伝えがあった。先祖代々伝わる風布の宝だった」と坂本さん。小川町靭負の農林業山田充宏さん(47)に「
倒れた木を譲ってほしい」と頼まれた時も、家族で話し合った。
ありし日の大モミジ。そばには山の神を祭った祠(ほこら)が建っていた(2002年11月、大久根茂さん撮影)
坂本さんの承諾を得た山田さんは今年四月、二つのブロックに切って山中から運び出した。大きい方は長さ三・八メートル、直径一・二メートル。伊奈町の製材所で厚さ十二センチ、十五枚の厚板に製材した。
これだけ大きいと普通は内部の空洞が多いが、中も腐らず残っていた。それを知った坂本さんは「いいものだと分かってよかった」と思ったという。山田さんは「木目が美しいし、テーブルや看板にして見せ方も工夫でき
るはず」。五年間は乾燥させる必要があるが、希望者には有料で譲るという。問い合わせは、山田さん(TEL0493・73・1875)へ。
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