ID 1417
登録日
2006年 8月 1日
タイトル
樹木1日5万本浪費、使い捨て割りばし
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新聞名
NNA
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元URL.
http://nna.asia.ne.jp.edgesuite.net/free/china/top/06/0802a.html
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
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中国で割りばしや紙ナプキンなどの使い捨て製品の使用が問題視されるようになっている。便利さや衛生上の問題から急速に普及しつつある同製品だが、1日の使い捨て割りばしの使用量は5万本の樹木に
相当することが判明。政府が進める環境保護重視政策の下で使用を控える声も浮上している。使い捨て製品使用の是非は、衛生改善と環境保護の両立というジレンマを浮き彫りにしているともいえそうだ。
経済日報によると中国国内には大小のレストランは400万軒あるといわれ、1軒が毎日100膳の使い捨ての割りばしを使用した場合、樹齢20年の木が1日5万本消費されている計算になるという。これを年間の消費量に
すると、200万立方メートルの森林に相当することになり、使い捨ての割りばしの使用が、想像を絶する自然破壊をしていると指摘している。
使い捨て製品の消費は割りばしだけにとどまらない。中国では弁当用の発泡スチロール容器は年間100億個消費されており、その重量は8万トンに達するとしている。全体の8割は再生されることなく屋外に捨てられてお
り、ゴミ問題としても深刻な事態を招いている。
携帯用ちり紙の消費も急速な経済発展とともに増加。1人当たりの消費量は1990年では590グラムだったのが、04年には2.6キロになっており、10数年間で使用量が一気に4倍に膨れあがっていることがわかる。ちり紙な
ど生活用の紙類の消費量は04年、343万トンに達しており、樹齢10年の木で換算すると、5,831万本に相当するという。
使い捨て製品の普及は現在も進んでおり、便利さに加え、衛生的なイメージが広がっていることから、今後もこうした製品は増え続けることは間違いない。
ただ、環境破壊の一員となっていることに危機感を抱く業者が、こうした使い捨て製品を減らす努力も一部で始まっている。
北京のチェーンスーパー、北京迪亜では市内に展開する10店舗で、通常は無料だったビニール製の買い物袋を0.1元で販売することにした。当初は客から不満の声も出ていたが、最近では8割近くの客が自分の買い物
袋を用意するまでになった。当初は有料化によって客が遠のくことが心配されていたが、影響は出ていないという。経済日報は「小さな有料化で古い買い物の習慣を変えた」と同スーパーの取り組みをたたえている。
回収率を高める取り組みも進んでいる。上海市廃棄物管理処によると、発泡スチロール製弁当用容器の生産企業に回収を義務づけた結果、1日に市内で消費される同容器120万個のうち、80万個が回収されるようにな
ったという。
13億人の国民が暮らす中国で使い捨て製品の是非が問われ始めたことは、便利さ第一の発想から環境保護意識への転換が始まっていることを意味している。今後、どこまでこうした動きが徹底されるか。政府や業界の
取り組みだけでなく、国民の環境保護意識の高まりが問われているともいえる。
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