ID 15787
登録日
2010年 4月13日
タイトル
吉野山に桜が多いのはなぜ?
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/nara/news/20100414ddlk29070583000c.html
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元urltop:
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写真:
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◆吉野山に桜が多いのはなぜ?
◇金峯山寺の参拝者が植樹 「蔵王権現」彫られた聖なる木
なるほドリ 今年もあちこちで桜がきれいに咲いたね。
記者 県内には桜の名木、名所がたくさんあります。宇陀市の「又兵衛桜」は樹齢300年とされる古木で、大和郡山市の郡山城の桜は「日本さくら名所100選」になっています。しかし、なんと言っても吉野山の桜は欠か
せないでしょう。
Q 吉野山の桜は「一目千本」と言われるけれど、いったい何本あるの?
A 千本というのは、多いという意味で使われているようで、山の下から開花していく順に「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と呼ばれています。はっきりしませんが、約3万本あるようです。
Q 桜の種類はどういったものが多いの?
A 一般的に桜と言えばソメイヨシノが多いのですが、吉野山ではシロヤマザクラという種類が多く植えられています。シロヤマザクラは若葉が出てから開花する品種です。吉野山全体では200種類くらいの桜があるよ
うです。
Q 吉野山と桜はどういう関係があるの?
A 花見のためというより、宗教的な意味合いを持って植えられたものです。
Q 吉野山と言えば世界遺産の金峯山寺があるけれど、関係あるのかな?
A 大変、関係が深いのです。約1300年前、修験道の開祖とされる役(えんの)行者が、厳しい修行の中で現れた蔵王権現の姿をヤマザクラの木で彫り出し、山上ケ岳と吉野山に祭ったとされています。このうち吉野山
に祭られたのが、蔵王権現を本尊とする金峯山寺なのです。
Q じゃあ、どうしてあんなにたくさん桜が植えられたの?
A 蔵王権現を彫ったヤマザクラは、信仰する人々にとって聖なる木と考えられるようになりました。参拝する人が盛んに植えるようになり、山全体を覆うようになったのです。
Q 吉野山の花見はいつごろから行われているの?
A 平安時代から始まったとされています。平安時代末期の歌人、西行は吉野山に庵を結び、桜の歌を多く残しています。また、豊臣秀吉は吉野山に千本の桜を植えたとされ、徳川家康や伊達政宗らを連れて花見もして
います。長い歴史を感じながら花見を楽しむのもいいのではないでしょうか。
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