ID 13346
登録日 2009年 9月24日
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タイトル
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ナラ枯れ:全国各地で広がる 原因のカシノナガキクイムシ、生息調査 /山梨
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新聞名
新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20090925ddlk19040209000c.html
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元urltop:
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写真:
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県内被害防止へ生息調査
日本各地の森林で、害虫によって広葉樹のミズナラやコナラなどが赤く枯れる「ナラ枯れ」の被害が広がっている。08年までに27府県で被害が確認されているが、県内での報告はまだない。今年度から県森林総合研
究所が中心となり、被害を未然に防ぐ取り組みが始まった。【春増翔太】
ナラ枯れの原因は、カシノナガキクイムシと呼ばれる甲虫で、体長は成虫で5ミリほどになる。幼虫を育てるためにミズナラやコナラなどブナ科の広葉樹の幹に穴を開ける。この際にナラ枯れ病の病原菌を媒介する。
数多くのカシノナガキクイムシに侵入された樹木は内部の水流が阻害され、葉が赤くなって枯れてしまう。
広葉樹林は針葉樹林に比べて保水力が高く、ナラ枯れが拡大すれば、水源機能の低下や土砂流出が起きる可能性もある。
独立行政法人森林総合研究所などによると、ナラ枯れは約70年前から知られていたが、80年代から被害が拡大し続け、05~06年に長野、静岡両県でも相次いでカシノナガキクイムシ生息が確認された。まきや炭の
需要が減って広葉樹林が手入れされなくなり、生命力の弱い古木が増えたことが主な原因とされている。
対策は、カシノナガキクイムシに侵入された木を1本ずつ切り出すか殺虫剤でいぶす以外になく、広範囲にわたって効果的に駆除する方法はない。
「一度ナラ枯れが広がった後で駆除に成功した例はない。早期発見が何よりも重要です」と、県森林総合研究所主幹研究員の大沢正嗣さん(48)は話す。
同研究所は6月から身延、早川、南部3町の計10カ所でカシノナガキクイムシの生息調査を始めた。8月までの調査で生息は確認されなかったが、来年度以降、峡北、東部地域でも調査する。
既に長野、静岡両県では被害が確認されているため、同研究所は8月末、北杜市で里山の再生活動に取り組むNPO「自然とオオムラサキに親しむ会」(跡部治賢会長)に協力を依頼。長野県境に広がる山林で、カシノ
ナガキクイムシ侵入の跡である幹の穴や根元の木くずを見つけたら、すぐに連絡してもらうよう呼びかけた。
跡部会長は「以前から危機感を持っていた。細心の注意を払いたい」と話す。
カシノナガキクイムシは、シイタケ栽培用のほだ木にすみ着いたまま運ばれることもあり、同研究所はきのこ農家やきのこ栽培用の菌を扱う業者にも注意を促している。
大沢主幹研究員は「県内でナラ枯れの特徴を見かけたら、すぐに連絡してほしい」と呼びかけている。県森林総合研究所(電話0556・22・8001)。
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