「神の木」ナラ枯れさせぬ　樹齢数百年、殺菌剤を注入

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新聞名 河北新報

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害虫が運ぶ菌によって樹木が枯れる「ナラ枯れ」の被害が宮城県内で初めて確認された大崎市鳴子温泉で、地域住民が特に被害を心配している樹木がある。鳴子温泉郷の中山平地区の国有林内にあり、「神 の木」と呼ばれて信仰を集める樹齢数百年のナラの巨木だ。住民の要請を受け、宮城北部森林管理署は殺菌剤を注入するなど保護に乗り出した。
　鳴子温泉郷の山林でナラ枯れが見つかったのは８月中旬。神の木の立つ地点から約４．５キロ北東の鳴子峡レストハウス付近のナラの木が突然枯れたという。
　神の木は幹周り約６メートル。異常は見られなかったが、古い木ほどナラ枯れになりやすく、地元の農業上野勝さん（６５）が森林管理署に予防措置を要請。管理署が今月１６日、殺菌剤を根元付近に注入した。
　ナラ枯れは山形県などの日本海沿岸部で１９９０年代に見つかり、奥羽山脈側に広がっている。管理署によると、宮城県内の国有林でナラ枯れの予防措置をするのは初めて。「地域で大切にしている樹木と聞き、予防 を行った。今後も県と協力し、予防と防除を進める」と述べている。
　上野さんは「素早く対応してもらって良かった。これで一安心」と話す。中山平地区では神の木を観光資源として見直す動きがあり、中山平温泉観光協会の大久保亮一会長は「何百年と生きた木なので、尊敬の念を持っ て大切にしたい」と語っている。