ID 12137
登録日 2009年 6月17日
タイトル
神代桜 柵内利用は原則禁止
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20090616-OYT8T01224.htm
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元urltop:
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写真:
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TV番組撮影で使用 北杜市が抗議受け
満開時の山高神代桜(今年4月撮影、北杜市提供)
今年4月、満開を迎えた北杜市武川町山高の国天然記念物「山高神代桜」の下で、人気歌手が熱唱するシーンがテレビの歌番組で放送された。「木は弱っていて近くに入れないはずなのに」。住民の抗議を受け、北杜市
は、桜の周囲に設けた柵への立ち入りを原則禁止にすることを決めた。市は、市内で国や県の指定を受けている文化財の使用許可基準を策定する方針だ。
実相寺にある山高神代桜はエドヒガンザクラの古木で、樹齢約2000年とされる。1922年に国の天然記念物に指定され、文化財保護法に基づき市教委が管理している。
樹勢が衰えたため、2003年から約3年間、土を入れ替えるなど約2600万円をかけて回復事業が行われた。その際、木が根を張っている上部の土が踏み固められると酸素を吸収しにくくなるため、桜の半径6~10メ
ートルを柵で囲った。
ただ、テレビ局の番組制作利用については、木に極力近づかないなど一定の条件をつけて認めてきた。市によると、07年にはNHKの番組で竹内まりやさんが柵内で歌うシーンの撮影を認めた。今年4月には、フジテ
レビの音楽番組で、ライトに照らされた夜桜をバックに桑田佳祐さんが歌うシーンの撮影を許可した。
4月6日撮影された内容がインターネットなどで住民に広まり、市に対し、「木の樹勢に影響を与える可能性があることは許可しないでほしい」といった抗議の手紙やメールが相次いで寄せられた。
木の管理を担当している市教委は「樹勢が回復途上であることを考慮すれば、慎重な対応が必要だった」とし、5月20日、樹木医や学術研究者以外は柵内に入ることを認めないとする内規を策定した。
フジテレビ広報は「正当な手続きをして行ったことなので、コメントは控えたい」としている。
北杜市の天然記念物の樹木を巡っては、武川町三吹の万休院のアカマツ「舞鶴の松」がマツクイムシ被害で07年9月に枯死、その後伐採された。現在、山高神代桜を含め3本残る。
北杜市は、樹齢1000年を超える古木をもつ福島県三春町など全国の3自治体とともに「千年の会」を発足させた。ほかの3自治体も明文化はしていないが、テレビの番組撮影などで立ち入り禁止区域の利用を認めた
例はないという。
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