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ID 8947
登録日 2008年 9月26日
タイトル
「明日なき森」出版 故後藤伸さんの講演録
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=153873
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元urltop:
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写真:
 
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照葉樹林復元を目指す「熊野の森ネットワークいちいがしの会」(竹中清会長、会員350人)は、初代会長で熊野の自然を実地調査した田辺市の元高校教諭、故・後藤伸さん(享年73歳)の講演録「明日なき森 ―カメムシ先生が熊野で語る」を出版する。
 A5判、256ページ。同会副会長の玉井済夫さん=田辺市湊=と、後藤さんと同郷で県立自然博物館協議会会長などを務める吉田元重さん=由良町=が監修。哲学者で京都大学名誉教授の上山春平さんが推薦状を寄 せている。タイトルには“このままでは”という思いが込められている。
 1998~2002年の5年間にあった計33回の講演会や勉強会、シンポジウムの内容を精選して10編ほどにまとめている。特に後藤さんがかねがね訴えていた「紀南本来の森(=照葉樹林)の再生」というテーマに焦点 を当てて編集している。
 第1章では後藤さんが“山の師”と仰いだ田辺市下川上(旧大塔村)の製炭業、故・栗栖太一さんとの出会いから、栗栖さんにまつわるエピソードをまとめている。当時、学会でも知られていなかったマネキグモの餌の取 り方を詳しく知っていたことや、植生調査より早く正確に山の樹種の割合を言い当てたことなど、驚きを持って紹介。講演の最後には「こういう太一ちゃんみたいな人たちの話が本当の自然の真理だろう」と敬意を表してい る。
 2~6章では「虫たちからの告発」「常識を覆す生きものたち」「生物の空間を創る」「巻き枯らしで森を取り戻せ―日置川の半世紀」「修復の世紀へ向けて―富田川で考える『水の自然』」と題してまとめている。このほか 、生前、後藤さんにかかわった人々のコラムも掲載している。
 竹中会長は「一般に報道されている自然と実際の自然では大きく違う。何が違うかはこの本を読んでもらえれば分かる。これから自然環境を考える上での参考書にしてもらえればと思っている」と話している。
 10月1日から発売予定。2940円(税込み)。
 後藤 伸 1929年、由良町生まれ。53年に和歌山大学教育学部を卒業後、県内の中学校、高校の教員をしながら紀南地方の動植物の研究を続けた。特に大塔山系の調査と保全には心血を注いだ。2003年に死去。
南方熊楠賞特別賞、田辺市文化賞などを受賞。
 主な著書は「自然を捨てた日本人」「日本原生林紀行」「天神崎の自然」(いずれも共著)「虫たちの熊野」。
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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