ID 8944
登録日 2008年 10月 3日
タイトル
ナラ枯れ、里山むしばむ 山形で猛威 奥羽山系に迫る
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/10/20081003t53030.htm
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
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紅葉にはまだ早いのに山形県や福島県で里山の木々が赤茶に変色し、痛々しい姿を見せている。原因はミズナラやコナラなどが集団枯死する「ナラ枯れ」。特に山形の被害が大きく、1991年に沿岸部で確
認されて以来、ほぼ県全域に広がった。今年は奥羽山脈沿いまで迫り、宮城県入りも懸念される勢いで、専門家は「既に激害状態」と警告している。
「これほどの自然環境の激変は見たことがない」。飯豊連峰のふもと、山形県小国町足水中里のイワナ養魚業佐藤祐一さん(71)は、里山のあまりの変わりようを嘆く。兆しは3年前に表れ、瞬く間にナラ枯れが町内の山
林に広まったという。
山形県森林課によると、県内の民有林での被害は2005年度の4万本が最も多く、本年度も2万8000本が確認された。過去10年間で20万本を超えている。
県は木の香り成分とフェロモンを利用し、病原菌を媒介するカシノナガキクイムシの成虫を誘引する方法を開発。一定の駆除効果を挙げてきたが、猛威はとどまらないのが実情だ。
ナラ枯れを研究する森林総合研究所関西支所(京都市)の黒田慶子地域研究監(森林病理学)は、被害の拡大について「社会的事情が最大の要因だ」と分析する。
かつて里山は薪炭林として2、30年周期で伐採、萌芽(ほうが)更新を繰り返してきた。黒田さんは「エネルギー源が化石燃料に代わり、長年、畑のように利用してきた林を放置した。その結果、里山は巨木、高齢木化し
、カシナガが繁殖しやすい条件になった」と解説する。
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