ID 7853
登録日 2008年 6月 2日
タイトル
大文字送り火、松の確保ピンチ 虫害が拡大、被害木の活用も
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008060200094&genre=C4&area=K00
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元urltop:
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写真:
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「五山送り火」の一つ、京都市左京区の大文字を担当するNPO法人(特定非営利活動法人)「大文字保存会」が、送り火に使う松の確保に苦心している。大文字山で数年前から、害虫による松枯れ被害が拡大
しているからだ。成長していない木まで切って使わなければならない状況に危機感を抱き、被害木の一部を工夫して活用するなど新たな取り組みを始めた。保存会は「40年、50年先を見据えて山を守っていきたい」と
している。
保存会は毎年、大文字山の共有林で樹齢80年ほどのアカマツ12、3本を切り、送り火に使っている。3年ほど前から害虫のマツノザイセンチュウによる被害が目立つようになった。被害木は、幹の周囲がスポンジ状に
ぼろぼろになったり根腐れし、伐採しなければならない。このため保存会は成長した木だけでなく、若い木まで切って送り火として使うようになっていた。
こうした状況が続けば木が育たないため、昨年、被害を受けた木の幹の周囲をはいで中心部分を使うなどの工夫を始めた。今年の送り火にも、ほぼ被害木だけを使うという。
さらに今春、大文字山中の国有林を管理する京都大阪森林管理事務所(上京区)から、被害木の丸太55本を買い受けた。国有林でも松枯れが進んでおり、事務所が活用を持ち掛けた。送り火にするには割り木にして3
月ごろから乾燥させる必要があるため、今年は間に合わないが、来年から使うことにしている。
保存会によると、松は短時間で火がついてよく燃え、ほかの木には替えられない。長谷川綉二副理事長(63)は「若い松を切らずに次世代に継承したい。植樹なども行い、山を本来の姿に戻していきたい」と話している
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