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ID 7257
登録日 2008年 4月19日
タイトル
デイゴを救おう!
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新聞名
八重山毎日オンライン
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元URL.
http://www.y-mainichi.co.jp/news/10889/
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元urltop:
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写真:
 
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変わった八重山の春の風景 ■デイゴの花  春3月、学校の卒業式の祝辞には必ずといってよいほど、デイゴの花が出てきた。ころ合いのよさもあるが、巨木の枝いっぱいに咲いている赤い花は迫力に満ちており、6年、3年の学校生活を終えて新しい世界へ旅立 つ児童生徒にとって、ふさわしい花言葉であった。
デイゴは日本全国にあるものではなく、沖縄の風土に生えて成長し開花、結実する植物である。原産地はインドといわれている。デイゴの花は1967年県花に指定されており、沖縄県人が誇りに思っている花である。沖 縄本島ではディーグ、宮古はドウフキー、八重山ではズグまたはアカヨーラという。
 八重山民謡「桃里節」に次のようにあり、古くから季節を彩る花であったことがうかがえる。
赤ユラヌ花ヤ  二、三月ドゥ咲チュル  バガケーラヌ花や  何時ン咲チュサ デイゴの花は2、3月に咲く。われわれの花はいつでも咲いている、という意味の謡である。ここにある2、3月は陰暦のことで、現在の3、4月にあたる。喜舎場永珣「八重山民謡誌」には、赤ユラは赤ヨーラの縮約語で、ヨ ーラク(瓔珞)のクが省略されたものではないか、としている。ちなみに瓔珞は仏像などにみられる装身具のことで、素材は宝石類である。「桃里節」には振り付けられた舞踊があり、若い娘がデイゴの花を持って踊る形を とっている。
 また大浜信光作詞、宮良長包作曲の「あかゆらの花」がある。象徴性の高い内容をもった作品である。このようにデイゴには見た目のはなやかさだけでなく、島人の内面を昇華させる文化的な一面をもっている。このデ イゴがここ数年花をつけなくなった。
■原因の究明と対処  デイゴの花が咲かないのは樹木そのものに問題があるからで、まずは原因をつきとめ対処を考えることであろう。花が咲かないというだけでなく、生命を失い枯死しているのが見うけられる。樹皮がはげ中から巨大な 白骨を思わせる塊が現れるのを見ていると、やりきれない気持ちになってくる。
大きく堂々としていたデイゴがなぜこのようなことになるのであろうか。原因は台風等で樹木の力がなくなったところへ、ヒメコバチの被害にあい枯死したといわれている。ヒメコバチはコバチという名のとおり小さな昆虫 で、肉眼ではとらえにくい。巨木のこずえにやってきたとしても、それとは気がつかないのが普通である。それが気がついた時にはすでに手の下しようがなくなっているのである。
 ヒメコバチはどこから来てこのような状況をつくり出したのであろうか。識者によると、ヒメコバチは以前からいたと思われるが、デイゴには樹木としての力があり、多少のことでは花をつけなくなったり枯れたりする事態 にはいたらなかったという。
■デイゴ再生プロジェクトを  いずれにしても原因究明は急務であり、対策をたてて実施しなければならない。昆虫が植物に与える影響はヒメコバチとデイゴが初めてではない。日ごろそれと気づかずに絶滅したり被害にあっている植物は、かなり の数にのぼる。
 長い年月をかけて成功したウリミバエ駆除はプロジェクトチームのたゆまざる努力のたまものであろう。それは幸いにして成功を勝ちえたが、まだ日の目をみなかったり、取り組みがなされていないものもあるはずであ る。
イヌマキに多大な被害をもたらしているキオビエダシャク、北限植物で文化財に指定されているリュウキュウチシャノキの原因不明の枯死など、問題は多い。
 自然破壊がもたらした現象もあるが、たやすく地球上を渡りあるくことのできる交通機関もさまざまな菌を運ぶ役目をしているし、渡り鳥などによる影響も無視できなくなった。当然対処策もこれまでのようなペースでは 間に合わなくなったが、とりあえず目の前にあるデイゴを救いたい。
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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