ID 6544
登録日 2008年 3月 1日
タイトル
ガジェット嫌いの私が衝動買いした
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新聞名
CNET Japan
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元URL.
http://japan.cnet.com/review/column/story/0,3800080778,20368511,00.htm
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元urltop:
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写真:
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まずはこれを見てほしい。
カリフォルニアの街道で見かけた木、巨大さと美しいシルエットが印象的。この木はどこで撮ったのかなあ
かっこいいでしょ、向こうからヘッドライトつけて疾駆してくる四駆がこの木の巨大な存在感を強調して、なかなかいい感じ。
でも、この写真、どこで撮ったんだっけなあ? 確かあれはカリフォルニアYosemite国立公園からNapaに向かう長い道のりのどこかで見かけた木のシルエット。何だか形が良くて、アメリカの街道って雰囲気たっぷりだっ
たから思わず車を止めて撮ったのだった。う~~ん、やっぱりこれってどのあたりの風景なのか、気になるなあ。
そこでGPSデータの登場
愛用の腕時計型のGPSユニット、GarminのForerunner 305 こんな時にすごく役に立つのがGPSデータだ。Global Positioning
System、全地球測位システム、汎地球測位システムとも呼ばれ、地球上の現在位置を調べるための衛星測位システムだ。地球上のどこに位置しているのかを正確にデータ化してくれる仕組みで、カーナビに組み込まれ
ていたりして、読者の皆さんにもすでにおなじみだろう。しかし、私の愛用しているのは、腕にはめてどこにでも持ち運べ、10時間以上にわたって刻々と変化する位置データを記録してくれるGarmin社製のForerunner
305だ。
350ドルほどと、少々お高いが、決め手は「ため込んだデータをUSBケーブルでMacに取り込める」点だ。
このクレイドルに載せ、USB接続でデータをMacに吸い上げることができる いくら膨大な移動情報を溜められるといってもパソコンで自由に活用できなければ、電子ガジェットとして失格だ。しかも、「Mac OS
Xでフル活用できる」というところが私にとっての最も重要な点だ。これがなければ、私には無用の長物。
写真とGPSデータをマッチングさせる
さて、話を元に戻して、あの気になる路傍の木はどこの?
山をトレッキングしたり、ドライブを楽しんでいる時に、私は必ずこのForerunner 305を動かしながら1日を過ごす。その間に撮った写真を部屋に戻ってきたらJetPhoto Studio
Proで読込み、USBでつないだForerunner
305からトラックデータを読込み、マッチングさせるのだ。GPSデータには時刻が刻まれており、撮影時刻と照合して、位置関係を割り出すのだ。なるほどなるほど、あの日はこんなにドライブしたのか。
撮影した写真と、ドライブとトレッキングをしたルートを照合
電子ガジェットはこうして、一緒に使うアプリケーションの存在がとても重要だ。筆者はこのような目的をこなしてくれるアプリをいろいろ探し、試してきたが、一番使えるのはこのJetPhotoだと思う。機能限定版は無償
で使えるから、読者の皆さんにも試してみることをお勧めする。ただし、後述するGoogle Earthなどとの連携やGPSデータの編集などをしようとすると$25でProバージョンにアップグレードしたほうがよい。
Google Earthとの連携がおもしろい
Google Earthに送ったり、Google Earthで写真とともに表示できるファイル(KMZ)を作ったり、機能充実
JetPhotoにはカレンダーから写真を閲覧する機能、キーワードを付けて串刺し検索する機能などが組み込まれていておもしろいが、さらにGoogle Earthや自分のサイトでGoogle Map web
galleryとして写真と行程を公開する機能、旅行業者など向けにJetPhoto Server経由で写真を公開する機能などが組み込まれている。
気になる木はこんなところに居たヤツですね
この中で、Google Earth上で経路と写真を表示させる機能が簡単でおもしろい。ローカルのパソコン上で即座にGoogle Earth上に展開、表示させた例がこれ。あーそうか、こんな場所であの木に会ったのね。
Yosemiteをトレッキング中に、こんな感じで写真撮影をした
とまあ、こんな具合に地図上に配置していくと、このあたりではこんなに写真を撮ったんだなあ。
あ、そうか、この鹿はYosemiteの草原で出会ったのか──と懐かしさが込み上げてくる。これを写真組み込みのルート情報(kmzファイル)として友人に自慢してもいいし、Googleマップに貼り付けて公開してもいい。
ああ、そうそう、鹿が飛び出してきたのは、ここの草原だったか
Forerunnerは心臓付近に巻き付ける心拍センサーも付属していて、名前の通り、走ったり、トレッキングしたりする場合の情報収集をしてくれる。このデータを付属ソフトのGarmin Training
Centerで分析し、効果的なトレーニングをサポートしてくれるというわけだ。本当にすばらしいデジタルライフを演出してくれて、ありがとう、という気持ちだ。
実はこの腕時計型GPS、AppleのWWDC(Worldwide Developer Conference)の時に、フォトグラファーの三井公一さんに薦められ、前々回筆者の林信行さんとともに買いに出かけ、衝動買いしたものだ。最近のiPod
touchを例外として、私は電子ガジェットをほとんど使わない。でも、このForerunner 305だけは、まさに肌身離さず、使い倒している。
さて、次回の「ガジェット・バトン」は、私が日経パソコン、日経MAC編集長だった時代に、パソコンを使っての仕事術に関する記事をたくさん書いていただいた川村 渇真さん。内なる心象風景を見事に映し出す写真術
の話をぜひ聞いてみたいとお願いした。
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