ID 4217
登録日 2007年 7月 8日
タイトル
「雪桜」に初訪伯の思い重ね
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新聞名
サンパウロ新聞
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元URL.
http://www.spshimbun.com.br/content.cfm?DO_N_ID =17673
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元urltop:
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写真:
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「♪あなたへの思いゆらゆら散る雪桜 あなたは消え思い出ただ残るだけ・・・」―。一か月間にわたる南米公演のために六月二十九日から来伯している日本の歌手・井上祐見さんが、自ら九九年に作詞した
思い出の曲「雪桜」。九年前、初めて南米公演が実現できた背景には、当時の長崎県人会長で聖市議や本紙営業部員などを歴任した故・小篠マリオ氏の多大なる尽力があったという。井上さんのチーフマネージャーであ
る中嶋年張氏は、今も小篠氏への感謝の気持ちを持ち続けている。
曲を聴いただけでは男女の愛を思わせる「雪桜」の歌詞には、実は井上さんと中嶋氏の小篠さんへの感謝と鎮魂の思いが込められている。
一九九八年、中嶋氏たちは「初めてのブラジル公演を日本移民のために歌ってみたい」と奔走。長崎県出身の中嶋氏が同県庁を通じて伯側に電話し、当時の長崎県人会長だった小篠氏と知り合った。九八年十月には
小篠氏がサンパウロ・大阪姉妹都市提携の関係で大阪を訪問。中嶋氏が小篠氏に直接会いに行き、意気投合した。
「マリオさんは『舞台はできるから、ぜひブラジルに来てください』と快く賛同していただいた上に、『ここに行けば楽しいよ』と公演の話だけでなく観光案内までしてくれ、私たちに気さくに応じてくれました」と中嶋氏は小
篠氏の人柄に惹かれた。
ブラジル公演実現に向けて慌しい日々を送っていた中、中嶋氏は小篠氏の思いがけない訃報を知らされ愕然となった。その日、東京は珍しく雪が降り、それまで中嶋氏が心の中で暖めていた歌の構想を小篠氏への鎮
魂歌とすべく井上さんを事務所近くの雪の積もった桜並木の前に連れていき写真を撮ったという。
その時の思いを井上さんが作詞、エレクトーン奏者の滝千奈美氏が作曲して「雪桜」が制作された。
九九年一月半ばに初めてブラジルの土を踏んだ井上さんたちは、小篠氏の墓前で「雪桜」を歌うとともに、井上さんの出身県である愛知県人会での歓迎会での席上、「雪桜」を熱唱。出席した小篠しづえ夫人と家族へ
の感謝の気持ちを涙ながらに改めて表した。
九年経った今でも、小篠氏への気持ちを持ち続ける中嶋氏は、「井上の歌は単なるメッセージ・ソングではなく、一曲の中で思いを伝えるストーリーとして聴いていただきたい」と南米公演への意欲を見せていた。++/di
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