【国頭】森林浴が人にもたらすとされてきた「癒やし効
果」を科学的に検証し、ストレス解消や健康増進に役立てる「森林セラピー(療法)」の拠点(セラピー基地)を認定する実験が15日、国頭村の与那覇岳登山道コースで始まった。
林野庁が森林総合研究所(茨城県つくば市)などと日本各地で研究を進めている。セラピー基地の認定により、地域振興につなげることを目指している。県内では唯一国頭村が認定を目指し候補地に名乗りを上げ、
認定に向け森林や周辺施設の整備を進めている。全国では10カ所の森が森林セラピーの活動拠点として認定されている。
実験は2日間。森林部と都市部で被験者の心拍数や血圧、脈拍、だ液中のストレスホルモンなどの数値を測定比較し、森林の効能を実証する。与那覇岳では、渓流の音を聞き、景色を眺めながら15分間座る前後の数
値測定や、森林を散策する前後の数値を測定した。
森林総合研究所の香川隆英環境計画研究室長は「冬場に森林で新緑の樹木や桜の開花、鳥のさえずりを楽しめるのは沖縄ならでは」とし「スギ花粉がないので、(関東などの)都心部で花粉症に悩む人の症状緩和など
ニーズは高まるのではないか」と期待した。
今年4月のセラピー基地の認定に向け、国頭村では06年度中に民間企業やNPO(民間非営利団体)とともに協議会を発足し、宿泊や日帰りのセラピーメニューづくりに取り組む予定。
このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。