ID 2774
登録日 2007年 2月15日
タイトル
池本 三郎さん 横浜市港北区在住 67歳
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新聞名
タウンニュース
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元URL.
http://www.townnews.co.jp/020area_page/03_fri/01_kama/2007_1/02_16/kama_jin.html
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元urltop:
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写真:
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樹への謙虚な姿勢 貫く
砂押川沿いの桜の樹勢回復実験を行った樹木医
池本 三郎さん
横浜市港北区在住 67歳
○…栄区との境を流れる砂押川。その両岸の桜が弱っているとして、樹勢回復実験を行った樹木医。桜並木の保全に取り組む地域の人たちが声を上げ、鎌倉市から1月末に現地に招かれた。対象となった桜は昭和11
年、蒲田から大船への松竹撮影所移転を記念して植えられたソメイヨシノだ。
○…「樹勢回復」は樹自身が元気になる手助けをすることだという。「樹は永く生きようという意思を持っており、その生命力にかかっています」。治療した桜は、幹の内部が腐って空洞化していた。その幹の内側から「不
定根」という糸状の根が伸び、それが地面に到達し根を下ろすと回復が近い。今回は、その不定根が地面まで伸びるための環境づくりを行った。「空洞にピートモスと灰を混ぜたものを押し込むだけ。難しいことはありませ
ん」と語る。10年すれば、その根は大根ほどの太さになり、いずれ新たな幹になるという。
○…以前は横浜市職員として公園の樹木等を管理していた。そして樹木医という公的資格が設けられた15年ほど前に、「職場で誰か受験しろという話になって、私に白羽の矢がたった訳です」。高い倍率ながらも見事
に一発合格。それ以来、樹の専門家として横浜市内各地で木々を見守ってきた。定年後は横浜自然観察の森園長を6年務め、今は樹木医一本。3年前には、山形県長井市にある天然記念物の久保桜を診たことも。「樹齢
1200年といわれる見事な桜でした」。
○…自宅の庭には桜が植わる。「内のは可哀相なんです。色々な実験対象になっているから」と苦笑い。今では樹木医として忙しく「妻から旅行などに行けないとぼやかれています」。
○…「樹に触れていると何かを教えられるような気がします。畏敬の念を持ち謙虚にならざるを得ない」という。そのような思いを胸に「各地で地域の人たちとともに樹の保全を行い、地域で樹を大切にするきっかけに
なれば」と話した。
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