ID 2645
登録日 2007年 2月 2日
タイトル
もうすぐスギ花粉症の季節
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新聞名
東京新聞
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元URL.
http://www.tokyo-np.co.jp/00/ken/20070202/ftu_____ken_____001.shtml
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元urltop:
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写真:
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スギの花粉症流行期が近づいてきた。だが、つらい症状を引き起こすアレルギーの原因物質(抗原)の飛散は、この季節だけに限らない。しかも発症していなくてもアレルギーを持っているという人も少なくな
い。自分の抗原は何か。“敵”を知るには、まず自分からだ。 (杉戸祐子)
昨春のこと。鼻水とくしゃみに悩み、耳鼻咽喉(いんこう)科で抗原の多寡を測る血液検査を受けた。結果はハウスダストがクラス5(六段階で数値が高い方から二番目)。ダニが同5、スギが同4、ヒノキが同3、イネ科の
カモガヤも同3-。布団や衣類を片づけると発症するので、ダニは予想していたがスギやヒノキ、カモガヤにも反応が出て驚いた。実際、夏まで不調に悩まされた。
「同じような例は少なくない」。東京都内の山川耳鼻咽喉科医院の山川卓也院長は話す。「アレルギーがあっても症状が出ない人や軽症で気づかない人、風邪と間違えている人もいる。抗原を調べ、アレルギーがあれば
たとえ無症状でも予防を始めることが大切」
検査は血液検査が主流で鼻の症状が中心なら、耳鼻咽喉科の病院や診療所で受けられる。採血して血中の抗原を測定する。多い抗原がその人のアレルギー原因物質となる。「測定対象はスギ、ヒノキ、ハウスダスト、
ダニが標準的」(山川院長)
通年性の鼻炎が疑われる場合などにはさらにイネ科、雑草、シラカンバ、動物上皮などを加えた十三項目について検査が可能だ。思いがけずカビやガ、ユスリカなどのアレルギーがわかることもあるという。
検査には健康保険が適用される。患者が三割負担の場合、四項目で三千円程度、十三項目で七千円程度から(初診料、処置料などを含む)。検査結果は一日-一週間程度で出る。
対策も浸透してきた。外出時はマスクやめがねを着用し、花粉の付きやすいフリースやウールの衣服は避ける。帰宅時は家に入る前にブラシで体の花粉を落とすなど実行している人も多いはずだ。発症後の薬剤利用
も一般的だ。
新アイデアもある。アレルギーと生活環境の情報を発信する「生活環境研究所」(千葉県習志野市)社長の福沢仁さんは「掃除が大切。コツは掃除機をかける前の水ぶき」と提案する。
水ぶきは掃除機の排気が、床の花粉をまき散らすのを防ぐためだ。特に朝、家族が動いて花粉を舞い上げる前に水ぶきをして掃除機をかけるといい。「エアコンをつけると対流が始まるのでスイッチを入れる前に掃除
を済ませる」
その際は静電気を持つテレビやパソコンの周り、換気口のある部屋(洗面所など)に花粉が集まりやすいので念入りに掃除する。さらに福沢さんは「窓を開けるときはレースのカーテンを閉めておくと“花粉フィルター”の
役割をする」。
東京都によると、今年のスギとヒノキの飛散量は過去十年の平均の三分の一から四分の一程度で、飛散開始は二月十四-十六日と予想されている。愛知県も量は平年の四割程度で、二月中旬からと予想している。
だが油断大敵だ。山川院長は「粘膜の荒れた状態のまま流行期に突入するとつらい思いをする。ハウスダストなどにアレルギーのある人は冬場の乾燥で粘膜の状態が悪くなりがち。風邪(粘膜の炎症)も流行期までに
治して」と呼びかける。
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