ID 2643
登録日 2007年 2月 1日
タイトル
東北狂わす暖冬 仙台でロウバイ満開 秋田では桜開花
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2007/02/20070202t73025.htm
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
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記録的な暖冬の影響で、東北では自然界にも「異変」が起きている。1月の平均気温が観測史上最高を更新した仙台や秋田では、梅などが一足早く真冬に開花。各地に春の訪れを告げる「桜便り」も駆け足で
やって来そうだ。
1月は「積雪なし」の仙台市。太白区の愛宕神社では、境内にある高さ2メートルほどのロウバイ2本が満開となっている。神社によると、平年より1カ月ほど早い昨年12月26日に開花した。
薄黄色の花びらが風に揺れると甘酸っぱい香りが漂い、訪れる人たちを楽しませている。郡山宗栄宮司は「神様からの思わぬプレゼントのよう」と表情もほころぶ。
気温が高めで、1月の降雪量も平年の6分の1だった秋田市では、秋田県庁の中庭で桜が咲いた。寒桜の一種で、2本のキンキマメザクラ。給湯の配管近くにある1本は昨年11月から咲いたり散ったりを繰り返し、別の1
本は1月下旬に開花が確認された。
県会計管財課によると、中庭のソメイヨシノが咲くのは例年4月中旬で、キンキマメザクラでも3月末ごろ。担当職員は「こんなことは初めて。昨冬は豪雪だったのに」と気候の劇的な変化を不思議がる。
仙台管区気象台によると、2月から4月の東北の気温は平年並みか高い状態が続くとみられる。ソメイヨシノの開花も平年並みか早い所が多い見込みという。
<小売業界>
暖かい冬は東北の小売業界の商戦にも異変をもたらしている。季節外れのゴルフ用品や自転車が売れ、春物への切り替えを急ぐ店も。売り場に「温暖化現象」が起きている。
スポーツ用品販売のゼビオ(郡山市)は、スキーなど冬物商品の昨年10―12月の売上高が、前年同期比で28.4%減と大きく落ち込んだ。1月も回復の兆しはない。
対照的に好調なのがゴルフ用品。ゼビオの東北の店舗では冬に売り場を閉じることも多いが、今年は継続して開設している店舗も少なくない。ただ、冬物の不振を埋めるほどではなく、同社は「セールで冬物を売り切り
、春物を早く展開したい」と力を込める。
ホームセンターのサンデー(八戸市)は、除雪用品の売り上げが大雪で品薄状態になった昨冬の40%程度にとどまる。防寒衣料も70%程度で、「冬に青森で自転車が売れているほど今年の積雪は少なすぎる。これか
ら雪が降っても遅い」と嘆く。
藤崎(仙台市)ではファッション性の高い婦人コートは好調だったが、手袋やマフラーなどの防寒小物の販売が伸び悩んだ。若者向けの婦人服売り場は、明るい色彩の春物衣料がもう主役だ。
「例年だと今ごろは春物の紹介時期という位置づけで、実際の販売には結び付かない。でも今年は1月中旬に商品が動き始めている」と驚く。
近年は天候不順が目立つだけに、流通業界では「新入学用品や就職用スーツなど、天候に左右されない行事への対応を強化しなくては」(イオン)との声も上がっている。
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