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- ID:
-
40860
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0227
- 見出し:
- 公営樹木葬、住民以外にも 長久手市、受け入れ拡大へ
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2018022802000074.html
- 写真:
- 【図・表 】
- 記事
- 愛知県長久手市は、新しい埋葬方法として需要が高まる「樹木葬」を受け付けている市営の「卯塚(うづか)墓園」(同市卯塚二)の使用者を、これまで限定していた市内在住者から市外に広げる条例改正案を開会中の市議会定例会に提出した。永代での管理を自治体が担うことなどから、墓の継承に不安を抱える人たちの注目を集めそうだ
卯塚墓園は二〇一五年度に開設され、広さ一・二ヘクタール。「招霊の木」とされる常緑のオガタマノキを墓石の代わりに植え、周囲の芝生に遺骨を合葬している。市は年度ごとに定員を決めて市民を対象に募集を始め、初年度は百体に対して約六百人の応募があった。敷地全体の埋葬可能人数は千体。今年一月末現在で生前予約を含めて五百六十二体分を販売し、六十一体が既に埋葬されている
ただ、長久手市は人口約五万七千人の六割以上を生産年齢(十五歳以上、六十五歳未満)が占め、市はこの先の墓地の需要が落ち着くと予想。一方で、隣接する名古屋市や愛知県日進市だけでなく、長野県や滋賀県など県外の住民からも問い合わせが数多くあり、市外からの需要に応じるために墓園を管理する条例の改正案を提出した
卯塚墓園には合葬式の樹木葬のほか、芝生の敷地に家族単位で埋葬する墓地もある。改正案はいずれの墓地についても市外から希望者を募り、樹木葬の場合、市外在住者は長久手市民よりも五万円高い一体二十万円で永代使用を受け付ける内容。埋葬料は市内外の在住を問わず、一律一万八百円に設定されている
芝生墓所の永代使用は市民が一区画百万円、市外在住者は百二十万円。市議会で可決されれば芝生墓所は一八年度から五十基程度、樹木葬は一九年度以降にも募集を始める。市外在住者が先祖などの墓を撤去する「墓じまい」をした場合も、取り出した遺骨の埋葬を受け付ける。議決は来月二十三日の予定だ
市は長湫(ながくて)南部土地区画整理組合の保留地を約十二億円で購入して卯塚墓園を整備した。市環境課の水野正志主幹は「樹木葬は墓石の管理がいらず、管理の費用がかからない。死後に墓のお守りをしてくれる人がいない人からの問い合わせが多い」と話している
<樹木葬> 自然葬の一種。霊園など墓地として法律で認められた場所で、墓石ではなく樹木の周りに遺骨を埋葬する方法が一般的。核家族化などで墓を守ることが困難な人が増え、需要が高まっている
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