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- ID:
- 前編はこちら→https://news.walkerplus.com/article/130971/ 40264
- 年:
- 2017
- 月日:
- 1217
- 見出し:
- 尾鷲市、返礼にヒノキ製品…林業PR
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20171214-OYTNT50064.html
- 写真:
- なし
- 記事
- 尾鷲市は、ふるさと納税の返礼品に、特産の尾鷲ヒノキを使った木工製品を充実させ、地元の林業のPRを強化する。今月中に尾鷲ヒノキの雑貨やテーブルなど40品目以上を追加する予定だ。尾鷲ヒノキは、昨年の伊勢志摩サミットの円卓にも使われており、一層のブランド化も図る狙いもある。(根岸詠子) 同市のふるさと納税の返礼品は、今年4月時点で約100品目。刺し身の盛り合わせや干物など水産加工品が約6割を占めており、尾鷲ヒノキの返礼品は1割ほどにとどまっていた
尾鷲ヒノキは、年輪が緻密ちみつで強度があるのが特徴だ。主に建築材として用いられてきたが、住宅着工件数の減少などで需要は低迷。同市の林業や製材業も衰退が懸念されている
一方で、尾鷲ヒノキは、伊勢志摩サミットで各国首脳が囲む円卓の材料に用いられ、独特の赤みを帯びた木目の美しさが注目を浴びた。さらに、今年3月には尾鷲ヒノキ林業が農林水産省の「日本農業遺産」にも認定。市は、これを機にふるさと納税の返礼品に取り入れ、知名度向上を図ることにした
新たに返礼品に追加されるのは、尾鷲ヒノキのペン立て(寄付金額5000円以上)やカッティングボード(同1万円以上)、一枚板を天板にした机(同8万円以上)などだ。いずれも寄付額の3割以内の金額に収めている
中でも寄付金額40万円以上を対象としたダイニングテーブルは、同市の「楠丑材木店」の2代目吉田侑生さん(31)が買い付けた樹齢約120年の尾鷲ヒノキを使って家具職人の是井進之介さん(32)と製作した力作だ
高さ70センチ、長さ1メートル80、幅90センチ。洋風の住宅にも合うようテーブルの脚は強度が保てるぎりぎりの細さとし、すっきりとしたデザインに仕上げた。木目を際立たせるため、塗装は施しておらず、水拭きする度にヒノキの香りが立つという
吉田さんの材木店では、尾鷲ヒノキの柱材の注文が20年ほど前の約2割にまで減っているが、吉田さんは「ふるさと納税を通して、改めて建築材としての強みをPRしたい」と意気込む。是井さんも「ヒノキは軽く、大きなテーブルでも移動が簡単。傷が付いても削り直せるし、その傷や経年変化を楽しむこともできる」と利点を語る
同市の2016年度の寄付額は7206万円。今年度の寄付額は昨年度を上回るペースで推移しているが、尾鷲ヒノキの返礼品をてこに、来年度は倍増の1億5000万円を目指す。問い合わせは同市税務課(0597・23・8172)
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