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- ID:
- 39354
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0821
- 見出し:
- 急傾斜地が一般的なビワ、平地で栽培…県が事業
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/economy/20170821-OYT1T50039.html
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- 記事
- 千葉県は今年度、急傾斜地での栽培が一般的なビワを平地で栽培するモデル事業を始める
作業しやすい平地での栽培を普及させ、労力が少ないことをPRして若手生産者を呼び込む狙いがある。県は、ビワ狩りの観光にも活用したい考えだ
ビワは県南部の特産品で、県内の産出額(2015年)は9億円と長崎県に次ぐ2位を誇る。水はけがよく、冬場に寒気がたまりにくいとして、急傾斜地での栽培が一般的となっている
ただ、樹木の高さが4~5メートルになるため、斜面での作業は重労働だ。県によると、生産者は年々高齢化が進んでおり、担い手不足が課題となっている。ハウス栽培の手法もあるが、高さのある農業用ハウスが必要で、コストがかかるデメリットがある
このため県農林総合研究センターは、樹木の高さを約2メートルに抑える技術開発に着手。根が広がらないように、まずシートの上に盛り土をした上で苗を植えるなどの手法で、果実が十分に収穫できることを確認した。低くて安価なパイプハウスでも栽培できるという
一方、生産者には「本当にうまくいくのか」との不安の声も強いことから、県は今年度、モデルフルーツ園を設置する生産者を決め、開設費用のうち最大で4分の1を補助する。果樹も高密度で植えて収量を確保し、利益が上がることを実証してもらう
県は、この栽培方法を広げることで生産者の負担が軽減され、重労働のイメージで敬遠していた若手が生産者になることを期待している。また、平地で樹木の高さが低いため、観光客も収穫しやすくなる。ビワ狩りは人気があり、県はスポットを増やしたい考えだ
担い手の確保を巡っては、県は秋頃に生産者や農協、関係市町などでつくる果樹(びわ・かんきつ)再生協議会を設立し、産地再生に向けた振興方針を決め、研修会も開催するなどしていく方針だ。県生産振興課は「新たな栽培方法で収益が上げられることをアピールすることで、多くの生産者に『やってみよう』と腰を上げてもらえたら」としている
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