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- ID:
- 38973
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0708
- 見出し:
- 五輪太鼓 世界に響け 旧国立競技場のケヤキ 材料に
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017070802100014.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 白山・浅野太鼓 採用目指し制作 東京・旧国立競技場の敷地に植えられていた巨木が二〇二〇年、石川県白山市で「五輪太鼓」として生まれ変わる。創業四百年余の浅野太鼓楽器店が、東京五輪・パラリンピックに向けた建て替え工事で取り壊された旧国立競技場のケヤキを再利用。五輪の閉開会式や記念セレモニーなどの演奏会で披露されるのを夢見て、直径約七十センチの大太鼓の制作に取り組んでいる。(冨田章午) 旧国立競技場の敷地内には約百本のケヤキが植えられていたが、一四年の解体決定により、ケヤキも伐採されることになった。寿齢約五十年で、幹が一メートルに達する巨木も。老舗の太鼓店は、歴史あるケヤキを何とかよみがえらせたいと、五輪にちなんだ太鼓を作ることを決意した。解体業者に話を持ちかけ、虫食いの被害が少ない二十本を提供してもらった
太鼓は四種類。直径約七・二センチの小太鼓、十二センチの中太鼓、四十五センチの長胴太鼓、七十センチの大太鼓で、職人約三十人が作っている。ケヤキをチェーンソーで輪切りにし、機械で側面をつるつるに削る。水分が抜けて縮んでしまい、音の鳴りが悪くなるのを防ぐため、大太鼓ならば約三、四年乾燥させて和牛の皮を表面に張って完成する
五輪にちなんで大太鼓は五台作る計画だ。現在は木の乾燥作業に入っており、二〇年一月の完成を目指す考えだ
代表取締役の浅野昭利さん(70)は十代のころ、一九六四(昭和三十九)年の東京五輪をテレビで観戦した。旧国立競技場で熱戦を繰り広げる日本人選手が記憶に残っているという
現在のところ、三年後の東京五輪で使われるかは決まっていない。それでも、夢は膨らむばかり。完成したら、都内を中心に大太鼓を使った演奏会を開き、五輪での採用をアピールしていく考えだ。常務取締役の浅野正規さん(45)は「世界が注目する五輪で白山市で作られた大太鼓が披露されれば、地元のPRにもつながる」と期待を寄せている
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