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- ID:
- 38933
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0705
- 見出し:
- 明石公園の森、さらなる豊かさ求め 樹木医らが取り組み
- 新聞名:
- 神戸新聞
- 元URL:
- https://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/201707/0010339155.shtml
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 放置され高木化した常緑樹を伐採して森に明るさを取り戻し、植物や生きものが生育しやすい豊かな森にする活動が、兵庫県明石市の明石公園で始まっている。4月から毎月1回、樹木医らのグループ約10人がモチノキなどを切り倒したり、下草を刈ったりして明るく人が入りやすい森にする作業に励んでいる
明石公園や六甲山系の森はかつて、燃料に使うまきを切り出すため常に人が出入りし、適度に手入れされていた。しかし20世紀後半にエネルギーの供給が石油やガスに変わるとまきの需要がなくなり、森に入ってモチノキやカクレミノ、カシノキなどを伐採する人が激減。これらの木が放置されて高く育ち、常緑の葉が高い場所で太陽の光を遮ることになり、地表の植物も生育しにくくなった
常緑の高木を伐採すると鳥も森に入りやすくなり、太陽光で地面が温められると虫が生育しやすくなるなど、生きものの種類も増える。樹木医の久保田和男さん(67)=西宮市=は「日当たりがよくなるとヤマザクラの幹から枝が芽吹き、森の中でサクラも楽しめる。ミツバやセリも生えてくるようになり、野草の摘み取りもできる」と話す
県などは2011年から、同公園の一角の高木を伐採し、明るくなった地表にどんな植物が生えてきたかを検証する実験をしてきた。今年からはボランティアも参加し、周辺に活動を広げていくという
久保田さんは「森の手入れは終わることなく続けていく必要がある。木の種類が変わると、四季の移り変わりを感じられるようになる」と話し、「すばらしい森を後世に残すため、多くの人に参加してもらえたら」とボランティアの参加を呼び掛けている
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