v10.0
- ID:
- 38932
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0705
- 見出し:
- 保安林の管理不十分で土砂災害の危険 総務省が勧告
- 新聞名:
- NHK
- 元URL:
- http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170704/k10011041701000.html
- 写真:
- なし
- 記事
- 保安林の管理不十分で土砂災害の危険 総務省が勧告7月4日 13時31分土砂災害などを防ぐ「保安林」の管理状況について総務省が17の都道府県を抽出して調べたところ、合わせて47か所で間伐など適切な管理が行われず、土砂災害などの危険性が高まっていることがわかり、総務省は農林水産省などに対し都道府県と連携して対策を講じるよう勧告しました
保安林は土砂災害や洪水を防ぐ役割などを担う山林で、住宅に近い傾斜地や河川流域など全国のおよそ1200万ヘクタールが国などによって指定され、都道府県の指導の下で土地を所有する住民らが管理しています
総務省行政評価局が去年、全国の17の都道府県を抽出して保安林の管理状況を調べた結果、合わせて47か所およそ350ヘクタールで間伐などが適切に行われていないことがわかりました。中にはおよそ10年にわたって保安林が管理されずに放置され、木や植物が十分に育たず、地盤が保水力を失って土砂災害の危険性が高まっている地域も確認されたということです
原因としては、管理の重要性について所有者の理解が得られなかったり所有者が死亡したあと相続人を把握できず適切に指導できていなかったりするケースが多いということです。総務省は農林水産省などに対し、都道府県と連携して対策を講じるよう勧告しました
静岡県の森林管理の現状は抽出調査の対象の1つの静岡県では主に人の手によって植えられたスギやヒノキの山林、およそ17万5000ヘクタールが保安林に指定されています
静岡市森林管理組合によりますと、このうち組合が管轄している市内の保安林では半分以上が間伐などの管理が不十分な状態だということです
組合の総務部長の大橋紀夫さんは「静岡市は河川流域の山林に急な傾斜地が多く、土砂災害の危険性があるため整備を進めたいが、なかなか所有者の理解が得られない。木材の価格も低迷するなか、山林の所有者の関心は低い。また組合の職員の人手不足の問題もある」と話しています
組合では所有者と委託契約を結び組合が一元的に森林を管理する対策に力を入れているということで、大橋さんは「土砂災害や洪水を防ぐ上で山林の自然が果たしている役割や保安林を整備する意義を所有者に粘り強く伝えていきたい」と話しています
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