v10.0
- ID:
- 38800
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0618
- 見出し:
- 北斗星(6月18日付)
- 新聞名:
- 秋田魁新報
- 元URL:
- http://www.sakigake.jp/news/article/20170618AK0014/
- 写真:
- なし
- 記事
- 県内の製材業者でつくる県林業育成協会(武田英文会長)に1通の茶封筒が届いたのは3年前の4月だった。封を切ると、中には和紙に包まれた1万円札が10枚。もう1枚の紙には「寄付金」とあるだけで、住所も名前もなかった▼同じ筆跡による10万円の寄付は同年10月にも翌年4月にも届いた。武田会長は「何とか本人に感謝の気持ちを伝えたい」と思い続けてきたが、手掛かりは金沢市にある「新金沢」郵便局の消印だけ。差出人が誰なのかは分からないままだ▼「なぜ県外から寄付が寄せられたのだろう」。封筒が届いたのを機に協会はこれまでの事業を見詰め直した。そして今では「中国での植林をこれからも頑張れ、という激励ではないか」と受け止めている▼協会は県内での森林造成だけでなく、県と友好提携している中国甘粛省でも植林を展開。2004年以降、砂漠化が進む同省で植林したのは乾燥に強いヒノキ科のコノテガシワなど100万本、400ヘクタール以上に及ぶ。日中緑化交流基金の助成事業で、活動状況は県外でも紹介された▼その中国には「陰徳あれば陽報あり」という格言がある。人知れずに良いことをして見返りを求めなければ、運が開けるという意味だ。難しいことだが、寄付した方はしっかり陰徳を積んでいる▼「新金沢」さん、ご安心を。あなたの善意は多くの苗木になり、荒廃した中国の山を緑に染めるために活用されるそうです。日本への黄砂の飛来防止にも役立つはずです
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