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- ID:
- 38061
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0331
- 見出し:
- 文化財、桜並木、名木桜… 歴史を物語る京都・桜の名所案内
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://www.asahi.com/and_travel/articles/SDI2017033024071.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 南禅寺の三門前には見事なソメイヨシノが咲き誇る三門の楼上からは、桜であふれる境内を眺望できる桜のトンネルを通り抜ける、ぜいたくな時間が楽しめる=京都市左京区、2015年4月1日(田中京子撮影)銀閣寺近くにできた花いかだ。疏水の水面が桜の花びらでピンク一色に染まった=京都市左京区、2016年4月11日(森泉萌香撮影)霊宝館中庭には、樹齢約190年のしだれ桜が傘を広げたように咲き誇る(画像提供:醍醐寺)西大門前の桜。門をくぐる前に、桜のトンネルをくぐることができる=京都市伏見区、2016年3月30日(森泉萌香撮影)[PR] 早咲きから遅咲きへ、洛中から洛外へ……。品種を変え、地域をまたぎ、約1カ月もの間次々と咲き継ぐ京都の桜。3月下旬から4月にかけて、花の色も枝ぶりもさまざまな品種の桜が咲き、4月中旬過ぎまで楽しめるものもあります。逸話が語り継がれる名木や文化財との共演なども、京都ならではの桜の愛(め)でかた。旅のスタイルに合わせて、心揺さぶる桜の風景へと足を運んでみましょう
まずは、「歴史的建造物とともに見る」桜。日本三大門の一つであり、歌舞伎「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」での石川五右衛門の名ぜりふ「絶景かな絶景かな」の舞台となった三門のある「南禅寺」を訪ねてみましょう。勅使門(ちょくしもん)、三門、法堂、方丈が一直線に並ぶ境内は、勅使門の隣にある中門をくぐるとまもなく、参道の両脇に咲き誇るソメイヨシノの花々に出迎えられます。その先に建つ、藤堂高虎(とうどう・たかとら)により1628(寛5)年に寄進された三門は、高さ約22メートル。楼上へと上ることができ、三門の上からの花霞(はなかすみ)をこの目で味わうことができます
【南禅寺】075-771-0365京都市左京区南禅寺福地町8:40〜17:00(16:40受け付け終了)※季節により変動境内自由(方丈・三門は各500円)市バス南禅寺・永観堂道または地下鉄東西線蹴上駅から徒歩10分http://www.nanzen.net どこまでも続く桜のトンネルを「歩きながら見る」のもこの季節の醍醐(だいご)味。京都に数ある桜並木の中でも、ひときわ美しいのが「哲学の道」です。かつてこの近くに住んでいた日本画家・橋本関雪(はしもと・かんせつ)が、地元への恩返しにと大正期に360本もの桜を寄贈したことにより、美しい桜並木の道となった散策路。その多くの木は現在代替わりしていますが、老木は慈しまれ、新しい苗木を植えられながら、京都の人々から守り継がれています。銀閣寺から永観堂までの疎水沿いに咲き誇る桜の小径(こみち)は、観光の合間のそぞろ歩きにもぴったり。桜吹雪の祝福のもと、いつもよりゆっくりと歩きたくなります
【哲学の道】京都市左京区鹿ケ谷市バス南禅寺・永観堂道または銀閣寺道から徒歩3分 100年の時を超えて咲く「名木に出逢う」という桜の愛でかたも、古都ならでは。豊臣秀吉による、後世に名を残す大花見「醍醐の花見」が開催された「醍醐寺」は、秀吉の指示によって植えられた桜をはじめ、境内に千本以上もの桜が咲き誇ります。中でも、霊宝館中庭に大きく枝を広げる樹齢約190年ものしだれ桜は圧巻。ゆったりと花枝を垂らすその姿からは、どっしりとした雄大さと、懐に抱かれるような深いぬくもりが感じられます。境内には他にも、樹齢100年を超えるソメイヨシノや三宝院前の大紅しだれなど、一見の価値のある桜の数々が。悠久の時を体現する、一本の桜との対峙(たいじ)をじっくりと味わってみてください
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