v10.0
- ID:
- 37664
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0222
- 見出し:
- 巨樹をたずねて⑨~春を待つ
- 新聞名:
- nippon.com
- 元URL:
- http://www.nippon.com/ja/views/b05309/
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 寒さがピークを過ぎると、木々は芽吹きや開花の準備を始める。冬の間にじっと蓄えたエネルギーがあふれ出るかのように、一斉に新芽を吹き始めるのももうすぐだ
厳しい冬を乗り切るために、葉を落とした木々は、冬芽(とうが、ふゆめ)を付けて休眠状態に入っていた。その冬芽が春に伸びて葉や花になる
巨樹の中で落葉する樹種といえば、ケヤキやイチョウなどとともに、カツラが思い浮かぶ。カツラの冬芽は、葉が出てくる前に真っ赤な花が先に咲くため、すでに赤い色をして春を待ち構えている。冬芽の奥には、カツラ特有の愛らしいハート型の葉が眠っているのだと想像してみる。春の到来を待ち切れない思いが今にもわき出てくるようではないか
日差しは暖かくなってきたとはいえ、朝晩はまだまだ冷え込む時期。木々の芽がふくらむのを目にして、人間たちは待ちに待った春がもうそこまで来ていることを実感するのだ
..