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- ID:
- 37616
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0216
- 見出し:
- 終活、最期はヒノキの香りに包まれて…奈良・吉野の高級材で木棺 目指すは林業再生
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元URL:
- http://www.sankei.com/west/news/170216/wst1702160004-n1.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- あの世へ旅立つまでの数日間を木の香りが満ちる快適な空間で-。奈良県の製材会社などが高級国産材を使った木棺の製造に乗り出した。実は木棺の多くは外国産の木材が使用されている。国産材の木棺製造は林業再生を目指す取り組みで、賛同した関係者との連携で価格も抑えた。販路拡大に向け、夏には首都圏での展示会に出展する予定だ。(栗井裕美子)いい香りで恐怖感なし 1月22~24日、大阪市中央区で開かれた商品展示会。木材の端材で作ったオブジェやスギの葉、サクラなどで里山をイメージした飾り付けが施された会場の主役は木棺だった
奈良県橿原市の製材会社「寺本木材」と兵庫県芦屋市の「吉田木工所」などが初めて主催した「棺展」。ヒノキなど奈良県吉野地方の木材で作った木棺7点が並べられた
「この世にとどまる最後の数日間をいい香りに包まれて故郷に帰ったような気分で過ごしてもらいたい」と寺本木材の寺本武社長。展示されていた棺の中に入ってみると、ヒノキの香りに包まれた。狭くて暗い場所は苦手だが、リラックスできたらしく、ふたを閉められても意外にも恐怖を感じなかった
国産材を用いる狙いは、品質の確保だけではない。日本の林業を活性化したいとの思いも込められている
地方創生のカギ 農林水産省の統計によると、海外の安価な木材の流入などにより国内の林業産出額は昭和55年の約1・2兆円をピークに下降線をたどっており、近年は3分の1の4千億円台で推移している。林業に従事する人も減少し、平成27年は4万8000人。中山間地で過疎化が進む一因となっている
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