v10.0
- ID:
- 37340
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0123
- 見出し:
- [樹木で潤う](2)自然に近い環境に安らぎ
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170119-OYTET50042/
- 写真:
- なし
- 記事
- 千葉大学の宮崎良文教授(自然セラピー学)は、「人間の体は、本能的に自然に近い環境を心地よいと感じるのではないか」と推測する
人類の祖先がアフリカで誕生したのが約700万年前。現代に近い都市生活を始めたのを産業革命(18世紀)後とすると、約250年間にすぎない。約700万年の歴史のほとんどを、人類は自然の中で暮らしてきた
宮崎さんは「生活空間の都市化が急激に進んだものの、わずか数百年では遺伝子レベルの進化は起きない。人間の体が環境の変化に適応しきれていないので、都市生活の強い緊張状態に置かれてストレスを感じるのは当たり前」と指摘する
森林浴セラピーでは「フィトンチッド」と呼ばれる香りが注目されるが、視覚だけでもリラックス効果があるという
宮崎さんは、香りを除いて、花や観葉植物を見ただけで効果があるのかを、高校生や事務職員、医療従事者を対象に調べた。3分間眺めただけで、副交感神経の活動が高まるというリラックス効果が確認できた
造花より生花のほうが効果が高かったほか、普通の画像では効果はないが、臨場感のある3D(立体)画像では、脳の前頭前野の活動も鎮静化して、リラックス効果があることもわかった
宮崎さんは「室内でも、視覚的に本物のような臨場感を演出できれば、森林浴のようなリラックス感が得られる」と話している
..