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- ID:
- 37165
- 年:
- 2016
- 月日:
- 1223
- 見出し:
- 吉野川 筏ぷかり
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20161222-OYTNT50164.html
- 写真:
- なし
- 記事
- かつて杉やヒノキの丸太を下流へ運んだ吉野川の筏いかだ流しを復活させる試みに、吉野町の県立吉野高の生徒と住民らが取り組んでいる。木材の集散地として栄えた町の歴史や魅力をアピールするのが狙い。来年、町内で開かれる観光イベントで披露する計画だ。(熱田純一) 吉野川では戦前まで、上流の川上村などで切り出した木の丸太を筏に組んで運んだ。中流域にある同高北側の河原には丸太が集積し、検品場としてにぎわったという。しかし戦後、道路整備が進むにつれてトラック輸送に取って代わられ、上流にダムが建設されると消滅した
生徒らは、地元の魅力を再発見する同高の「よしの調査隊」事業で筏に着目。「復活!吉野川筏プロジェクト」と名付け、住民たちの協力を得た。町内にはすでに筏を作った経験のある人がおらず、記録映像や写真を参考に準備を進めた
今月10日には、同高近くの浅瀬で<試運転>した。生徒や住民計約20人が集まり、長さ約3メートル、直径18センチの杉の丸太5本を、ロープと鉄製かすがいで固定する作業を行った
できた筏を水に浮かべ、ライフジャケットを着た生徒たちが交代で乗り、さおで川底を突いて動かした。重さは約300キロあり、水に沈み込んでしまってなかなか思い通りに操れず、他の生徒らが陸からロープで引っ張って動きをコントロールした
森林科学科2年、東大輔さん(16)は「バランスを取るのが難しく、筏が沈んで川に落ちそうになった。多くの筏でにぎわった当時を思い起こさせるように、もう少し大きな筏に改良したい」と話した
来年には、学校近くで住民らが開く予定の観光イベントで、お披露目したいという。上田裕康校長は「筏にのぼりを立て、多くの観光客に復活をアピールしたい」と意気込んだ
2016年12月23日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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